算定基礎届って何のための書類?
算定基礎届とは
あゆみ:日本年金機構から「社会保険関係書類提出に関する重要なおしらせです」という封筒が届いたんだけど、その中には「被保険者報酬月額算定基礎届」という届出用紙が入っていたわ。
ケン:算定基礎届は4月から6月までのお給料で向こう1年間の社会保険料を決定するための大事な手続きです。通常、7月1日から7月10日までに提出します。
あゆみ:ところで、昇給した時は「月額変更届」を提出しなさいって言われた記憶があるんだけど、なぜこの時期に算定基礎届も提出しなければならないの?
ケン:社会保険料はお給料の額によって決まります。そのお給料には残業代などの変動するものや所得税は非課税とされる通勤費も含まれます。
月額変更届は固定給が昇給し等級が2等級以上変動しないと提出しませんが、算定基礎届については残業代等の変動するものを含めた等級が1等級しか変動しなくても向こう1年間の社会保険料の金額は算定基礎届により計算した等級で決定しますので、より実態に合わせた社会保険料を算定する手続きとなっています。
あゆみ:つまり、残業代が多い場合は昇給してなくても社会保険料を上げるわよってことね。
ケン:ま、そのような感じです。
算定基礎届の調査
ケン:算定基礎届を提出する際、まれに年金事務所の担当者に賃金台帳等を見せながら提出するいわゆる調査もあります。
あゆみ:調査って何を調査するの?
ケン:算定基礎届には給料の総額を記載しますが、その記載した給料が実際支払ったものと合っているかどうかを、担当者が源泉所得税の領収書、タイムカード、賃金台帳などで確認します。
また、社会保険に未加入の人がいる場合に社会保険に入るべきかどうかなどの確認をします。
あゆみ:今年は郵送用の封筒が入っていたから私のところは調査ではないわね。
算定基礎届の記載内容
あゆみ:算定基礎届には何を書けばいいの?
ケン:各人ごとに4月、5月、6月のお給料の総額を記載します。その際、その月の日数については役員の方はその月の日数を、従業員の方はその月の出勤日数を記載します。
お給料は通貨で支払ったものと現物で支払ったものとを分けて記載し合計します。
現物で支払ったものとは、食事や住宅、定期券などが該当し、その現物を金銭に換算した金額を記載します。食事と住宅を支給している場合にはその金額が都道府県ごとに決められていて令和元年度の東京都の金額は1人1日当たりの食事代が700円、1人1か月あたりの畳1畳分の住宅代が2,590円となっています。
算定基礎届総括表の記載内容
ケン:今回送られてきた封筒の中に「算定基礎届総括表」というものが入っていたかと思います。算定基礎届を提出する際はそれも一緒に提出します。
あゆみ:確かに入ってる。それには何を書けばいいの?
ケン: 「算定基礎届総括表」は従業員の社会保険加入状況を記載するものです。7月1日現在での社会保険の被保険者の総数や被保険者となっていない人の人数などを記載します。
また、その会社の給与の支給状況を回答する欄があり、当てはまるものに〇をします。
あゆみ:わかったわ。自分で書いてみます。