住民税の納付書が届いたんだけど。。。
住民税の納付方法
あゆみ:私個人のところに、区役所から住民税の納付書が届いたわ
ケン:あゆみ社長は今年の1月から独立開業されましたから、前の勤務先のところからは普通徴収として給与支払報告書が提出されたからだと思われます。来年は源泉徴収票と同じものである給与支払報告書を各市区町村に提出しますので、会社の方に住民税の通知書と納付書が届きます。
あゆみ:その普通徴収って何?
ケン:住民税の納付の方法のことです。自分で納付する方法を普通徴収、会社がお給料から差し引いた住民税を各市区町村に納める方法を特別徴収といいます。あゆみ社長は前の勤務先からお給料をもらっていたときは、お給料から住民税が差し引かれていたと思います。
あゆみ:確かに差し引かれていたわ。ということは従業員に対してわが社も同じようにお給料から差し引いて各々の市区町村に納めなければならないってことね。
ケン:そのとおりです。そもそも住民税は前年の所得から計算され、毎年6月上旬ごろに通知と納付書が届きます。特別徴収の場合は毎年6月から翌年5月までの年12回に分けて納付します。今年は開業したばかりですので、前年のお給料がありませんから手続きをすることにより特別徴収の方法で納付も出来ますが、事務負担が増加しますので来年からでよろしいでしょう。
あゆみ:わかったわ。
住民税の計算方法
あゆみ:それにしても住民税って高くない?
ケン:お給料が高額な方ほど所得税の方が高くなります。なので、それほど高くないと思いますが、そのように感じるのは住民税の計算方法と納付の回数によるのではないでしょうか。
あゆみ:住民税はどのように計算されるの?
ケン:住民税は所得割と均等割を合算して算出されます。所得割の計算方法はほとんどが所得税の計算方法と同じです。ただ、基礎控除が所得税では38万円のところが33万円となるなど、所得金額から差し引かれる各種控除額が所得税のそれよりも少なくなっています。住民税の税率は一律10%です。また、所得税にはない均等割も数千円ですが住民税にはかかります。
あゆみ:納付の回数って普通徴収と特別徴収では違うの?
ケン:あゆみ社長は去年まではお給料から差し引かれ会社が納付する特別徴収で年12回の納付だったので、自分で住民税を納めているという感覚が薄かったかもしれません。それが今年は普通徴収で年4回となりますから1回あたりの納付額が今までの4倍となるわけです。このことによって高くなったと感じているのではないでしょうか。
あゆみ:なるほどね。高く感じているだけね。
ケン:はい、そう思われます。
従業員が退職したときの手続き
あゆみ:ところで、来年からは住民税もお給料から差し引くわけでしょ?従業員が退職したら住民税はどうなるの?
ケン:その従業員の住所地の市区町村に「給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」を提出します。この届出書には退職後に納付すべき住民税をどの方法により納付するかを記載します。
退職後の住民税の徴収方法は
1. 普通徴収にする
2. 退職金や直前のお給料から一括徴収する
3. 転職先で特別徴収を継続する
の3つです。
いずれも従業員本人にどうするかを確認して手続きをする形となります。
会社は手続きをするだけで立替えて納付することはありませんのでご安心ください。
あゆみ:わかったわ。ありがとう。