入社手続き
あゆみ:来月新しく社員が入社するけど、どういう手続きをとればいいの?
ケン:社会保険と雇用保険の手続きは会社が行います。社内の入社手続きが完了後、入社する社員から
・年金手帳
・雇用保険被保険者証
・前職がある場合にはその前職の 源泉徴収票
を預かってください。
あゆみ:そのあとは?
ケン:『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』に
・本人の住所氏名、生年月日とマイナンバー
扶養親族がいる場合はその方の氏名、生年月日、マイナンバーと収入がある場合はその収入金額を本人が記入し提出してもらいます。
この『給与所得者の扶養控除(異動)申告書』は会社で保管することになります。
あゆみ:この『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』は何のために必要なの?
ケン:お給料から差し引かれる源泉所得税は国税庁から発表されている源泉徴収税額表により計算します。この源泉徴収税額表には『甲欄』と『乙欄』があり、仮に2つの法人から給与をもらっているとすると、メインの法人からは「甲欄」の金額、サブの法人からは「乙欄」の金額を採用します。
この『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』はメインの法人に提出します。それによりメインの法人は「甲欄」の金額を採用し、『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』の提出がないサブの法人は「乙欄」の金額を採用することになっています。
ちなみに、源泉徴収される税額は「乙欄」の方が高くなっています。
あゆみ:年金手帳はどうするの?
ケン:年金手帳は社会保険の手続きに使います。
年金事務所に提出する
・『健康保険厚生年金被保険者資格取得届』
・扶養親族がいる場合には『健康保険被扶養者(異動)届』
を作成し、年金手帳を添付して入社後5日以内に提出します。
この届を提出することにより健康保険証が送られてきます。
添付した年金手帳はすぐ戻ってきますので本人に返してください。
あゆみ:『健康保険厚生年金被保険者資格取得届』には何を記載するの?
ケン:『健康保険厚生年金被保険者資格取得届』には、氏名、生年月日、マイナンバー、入社日とこれから支払う給与の金額を記載します。
健康保険と厚生年金の保険料は給与の金額によりそれぞれ等級が決められているため、給与の金額を記載します。
あゆみ:『健康保険厚生年金被保険者資格取得届』は健康保険が国民健康保険から社会保険になって、年金は厚生年金で計算される部分があるから必要なのよね。
あゆみ:「雇用保険被保険者証はどうするの?」
ケン:ハローワークに提出する『雇用保険被保険者資格取得届』を作成し、雇用保険被保険者証を添付して入社した日の翌月10日までに提出します。
雇用保険被保険者証は新たに発行されますが、会社で保管し退職時に本人に渡した方がいいでしょう。
あゆみ:『雇用保険被保険者資格取得届』は失業保険のために届出するものよね。
あゆみ:そのほかに気を付けることはある?
ケン:義務ではありませんが、入社後住民税を給与から差し引いて会社が納付する方法(特別徴収)も選択できます。これを選択する場合には、その社員が居住する市区町村に『普通徴収から特別徴収への切替連絡書』を速やかに提出します。
そのほか、社員名簿を作成しなければいけません。
記載事項は氏名、性別、従事する業務、入社日です。また、退職した場合はその年月日とその理由を、死亡した場合はその年月日とその原因も記載することとなっています。
あゆみ:わかったわ。ありがとう。