私の会社が受けられる補助金ってあるの?
新米経営者あゆみさんの税務・労務に関するお悩みをケン先生が解決します。
女性経営者:あゆみ
動物病院やペットショップに勤務し、
平成31年1月に法人設立とともに東京都内にペットショップを開業。
従業員1人、パート1人を雇い日々奮闘中。
今後はペットホテル、ペットレンタル業にも業務拡大を見込む。
税理士ケン:40代男性
都内税理士法人に勤務後、独立開業。
法人税、所得税、消費税、資産税を得意分野とするオールラウンダー税理士。
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あゆみ:「当社のような創業したての会社でも補助金って受けられるんですか?」
ケン:「はい、受けられる可能性があるものとして3つの補助金を紹介します。」
港区家賃補助
あゆみ:「1つ目は?」
ケン:「港区では家賃補助があります。事務所等の月額賃料の3分の1(最大月5万円)の額で1年間補助金を受けることができます。居住兼用でないことや、バーチャルオフィスでないこと等の要件を満たせば申請できます。
申請期間は毎年6月と12月で昨年12月の申請期間はすでに終了しています。今年の6月も募集するものと思われますが、毎回25名程度しか補助金が受けられませんので、提出書類である創業計画書や地域社会への貢献活動の実施予定表などをしっかりと作成する必要があります。」
東京都商店街起業・承継支援事業
あゆみ:「2つ目は?」
ケン:「東京都による「商店街起業・承継支援事業」です。都内商店街で新規開業又は既存事業の後継を行う中小小売商業者が開業等をするに当たり、店舗の新装又は改装及び設備導入等に要する経費の一部が助成されます。
特に女性起業家の場合、助成額は最大730万円、助成率は4分の3です。
店舗新装工事や備品購入、広告宣伝などが助成の対象です。
また、店舗賃借料についても1年目は月15万円、2年目は月12万円の補助もあります。」
あゆみ:「この補助金の申請には何が必要なの?」
ケン:「エントリー期間内にまずはエントリーしなければなりません。必要書類は申請書のほか、商店街出店に関する承諾書や資金計画書、月次資金繰り表、店舗を新装する場合はその見積書などを提出する必要があります。」
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
あゆみ:「3つ目は?」
ケン:「革新的なサービスを開発したり、生産性設備を導入したりする際に支給されるものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金です。昨年まではHP作成や会計ソフト導入についても補助金対象だったいわゆるIT補助金については、この補助金制度に組み入れられました。IT関連ではソフトウェア購入やクラウドサービス導入に要する費用の一部が助成されます。
小規模型の設備投資の場合、補助額は100万円から500万円。補助率は2分の1以内です。
中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画を申請し承認を受けると補助率は3分の2になります。」
あゆみ:「経営革新計画とか経営力向上計画って何ですか?」
ケン:「新たな設備投資等により生産性を向上させるのが経営力向上計画です。設備投資により売上が何パーセント伸びるだとか、設備投資により人件費削減が可能だから利益が何パーセント伸びるといった計画書を事業分野ごとの担当省庁に提出します。」
補助金を受けるにはしっかりとした経営計画を
あゆみ:「なんかどれも簡単に受けられそうにないわね。」
ケン:「そうかもしれません。ただ、金融機関や税理士などの認定経営革新等支援機関に経営計画策定の相談もできます。
どの補助金にしても、しっかりとした経営計画を立てた上で設備投資をすると補助金が受けられますので、まずは経営計画策定が先決です。」
あゆみ:「わかりました。」