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働き方改革関連法(2)

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リエ「今回は、“雇用形態に関わらない公正な待遇の確保”、及び改正法の実施時期と残業時間上限規制の猶予・除外業務について、教えてください。」

守田「“雇用形態に関わらない公正な待遇の確保”については、法律では、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法が改正され、同一企業内における正社員と非正規社員の間の不合理な待遇の差を解消することを目的としています。具体的には以下の3項目です。
(1)不合理な待遇差をなくすための規定の整備
同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。
(2)労働者の待遇に関する説明義務の強化
非正規雇用労働者は、”正社員との待遇差の内容や理由”など、自身の待遇について説明を求めることができるようになります。
(3)行政による助言・指導等や行政ADRの規定の整備
都道府県労働局において、無料・非公開の紛争解決手続きを行います。”均衡待遇”や”待遇差の内容・理由”に関する説明についても対象となります。
改正の概要は以上です。」

リエ「“働き方改革関連法”の実施時期は、大企業と中小企業では一部異なっているとのことですが、どのような差があるのでしょうか?」

守田「労働時間法制の見直しについて、(1)労働時間の上限規制は、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月からになります。(2)月60時間超の残業の割増賃金率の引上げは、大企業では既に実施されております。中小企業は2023年4月から実施されます。雇用形態に関わらない公正な待遇の確保についての各項目の実施時期は、大企業は2020年4月から、中小企業は2021年4月から実施されます。その他の項目は、大企業、中小企業ともに2019年4月から実施されます。」

リエ「労働時間の上限規制では、猶予または除外される事業や業務があるとのことですが、どのような事業・業務ですか?」

守田「以下、5つの事業・業務が猶予または除外の対象になります。
(1)自動車運転の業務:5年後に上限規制を適用。適用後の上限時間は年960時間とし、一般則の上限時間の適用は引き続き検討。
(2)建設事業:5年後に上限規制を適用。ただし、災害時における復旧・復興の事業については、複数月平均80時間以内、1ヵ月100時間未満の要件は適用しない。一般則の適用について引き続き検討。
(3)医師:5年後に上限規制を適用。ただし、具体的な上限時間等については、医療界の参加による検討の場で結論を得る。
(4)鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業:5年後に上限規制を適用。
(5)新技術、新商品等の研究開発の業務:医師の面接指導、代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で、時間外労働の上限規制は適用しない。」

リエ「法改正に伴って、就業規則とか36協定などを変更する必要がありますね。その時にはご指導お願いします。今日はありがとうございました。」



監修

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税理士 坂部達夫

坂部達夫税理士事務所/(株)アサヒ・ビジネスセンター

 東京都墨田区にて平成元年に開業して以来、税務コンサルを中心に問題解決型の税理士事務所であることを心がけて参りました。
 おかげさまで弊所は30周年を迎えることができました。今後もお客様とのご縁を大切にし、人に寄り添う税務に取り組んでいきます。

メールマガジンやセミナー開催を通じて、様々な情報を発信しています。

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リエ「今回は、“雇用形態に関わらない公正な待遇の確保”、及び改正法の実施時期と残業時間上限規制の猶予・除外業務について、教えてください。」守田「“雇用形態に関わらない公正な待遇の確保”については、法律では、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法が改正され、同一企業内における正社員と非正規社員の間の不合理な待遇の差を解消することを目的としています。具体的には以下の3項目です。(1)不合理な待遇差をなくすための規定の整備同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。(2)労働者の待遇に関する説明義務の強化非正規雇用労働者は、”正社員との待遇差の内容や理由”など、自身の待遇について説明を求めることができるようになります。(3)行政による助言・指導等や行政ADRの規定の整備都道府県労働局において、無料・非公開の紛争解決手続きを行います。”均衡待遇”や”待遇差の内容・理由”に関する説明についても対象となります。改正の概要は以上です。」リエ「“働き方改革関連法”の実施時期は、大企業と中小企業では一部異なっているとのことですが、どのような差があるのでしょうか?」守田「労働時間法制の見直しについて、(1)労働時間の上限規制は、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月からになります。(2)月60時間超の残業の割増賃金率の引上げは、大企業では既に実施されております。中小企業は2023年4月から実施されます。雇用形態に関わらない公正な待遇の確保についての各項目の実施時期は、大企業は2020年4月から、中小企業は2021年4月から実施されます。その他の項目は、大企業、中小企業ともに2019年4月から実施されます。」リエ「労働時間の上限規制では、猶予または除外される事業や業務があるとのことですが、どのような事業・業務ですか?」守田「以下、5つの事業・業務が猶予または除外の対象になります。(1)自動車運転の業務:5年後に上限規制を適用。適用後の上限時間は年960時間とし、一般則の上限時間の適用は引き続き検討。(2)建設事業:5年後に上限規制を適用。ただし、災害時における復旧・復興の事業については、複数月平均80時間以内、1ヵ月100時間未満の要件は適用しない。一般則の適用について引き続き検討。(3)医師:5年後に上限規制を適用。ただし、具体的な上限時間等については、医療界の参加による検討の場で結論を得る。(4)鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業:5年後に上限規制を適用。(5)新技術、新商品等の研究開発の業務:医師の面接指導、代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で、時間外労働の上限規制は適用しない。」リエ「法改正に伴って、就業規則とか36協定などを変更する必要がありますね。その時にはご指導お願いします。今日はありがとうございました。」
2019.03.18 16:34:22