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災害を受けた時の法人税の取扱い

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リエ「黒田さん、ちょっとよろしいですか?」

黒田「いいですよ。どうしました?」

リエ「近年、地震や台風などによる自然災害が多発しているじゃないですか。」

黒田「そうですね。特に今年は台風がすごかったですね。」

リエ「そうなんですよ。実は私の知り合いの社長さんの会社も台風の被害を受けてしまって、その場合の法人税の取扱いをすごく気にしていたので教えてあげようと思いまして……。」

黒田「なるほど、そういうことですか。法人の有する商品や、店舗事務所等の固定資産などの資産が災害により被害を受けた場合、これらの資産が災害により滅失又は損壊した場合の損失、損壊した資産の取壊し又は除去のための費用、土砂その他の障害物の除去のための費用の額は損金に算入されます。
また、法人の有する棚卸資産、固定資産又は一定の繰延資産につき災害による著しい損傷が生じたことにより、その時価が帳簿価額を下回ることとなった場合には、帳簿価額と時価との差額を評価損等の科目を使って損金経理することにより、損金の額に算入することができます。」

リエ「なるほど! あ、じゃあ復旧のための費用はどうなるんですか?」

黒田「被災した資産についてその原状を回復するための費用や被災した資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用については修繕費での処理が認められています。」

リエ「そうなんですね。ちなみに、被災した資産を修繕に代えて新しく買い替えた場合の取得費用は修繕費にはできないですよね?」

黒田「それはできないですねぇ。それは新たな資産の取得に該当するのでその取得のために要した金額は資産として計上することになります。」

リエ「やっぱりそうですよね。」

黒田「ただ場合によっては特別償却ができたり、固定資産税の減額などの措置もあります。また、災害等があった時に申告などの期限の延長や納付を一定期間猶予する制度など、ほかにも様々な制度や特例もあるので、被災の状況が落ち着いてから近くの税務署に相談に行くのが良いかもしれませんね。」

リエ「わかりました! ありがとうございます!」



監修

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税理士 坂部達夫

坂部達夫税理士事務所/(株)アサヒ・ビジネスセンター

 東京都墨田区にて平成元年に開業して以来、税務コンサルを中心に問題解決型の税理士事務所であることを心がけて参りました。
 おかげさまで弊所は30周年を迎えることができました。今後もお客様とのご縁を大切にし、人に寄り添う税務に取り組んでいきます。

メールマガジンやセミナー開催を通じて、様々な情報を発信しています。

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リエ「黒田さん、ちょっとよろしいですか?」黒田「いいですよ。どうしました?」リエ「近年、地震や台風などによる自然災害が多発しているじゃないですか。」黒田「そうですね。特に今年は台風がすごかったですね。」リエ「そうなんですよ。実は私の知り合いの社長さんの会社も台風の被害を受けてしまって、その場合の法人税の取扱いをすごく気にしていたので教えてあげようと思いまして……。」黒田「なるほど、そういうことですか。法人の有する商品や、店舗事務所等の固定資産などの資産が災害により被害を受けた場合、これらの資産が災害により滅失又は損壊した場合の損失、損壊した資産の取壊し又は除去のための費用、土砂その他の障害物の除去のための費用の額は損金に算入されます。また、法人の有する棚卸資産、固定資産又は一定の繰延資産につき災害による著しい損傷が生じたことにより、その時価が帳簿価額を下回ることとなった場合には、帳簿価額と時価との差額を評価損等の科目を使って損金経理することにより、損金の額に算入することができます。」リエ「なるほど! あ、じゃあ復旧のための費用はどうなるんですか?」黒田「被災した資産についてその原状を回復するための費用や被災した資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用については修繕費での処理が認められています。」リエ「そうなんですね。ちなみに、被災した資産を修繕に代えて新しく買い替えた場合の取得費用は修繕費にはできないですよね?」黒田「それはできないですねぇ。それは新たな資産の取得に該当するのでその取得のために要した金額は資産として計上することになります。」リエ「やっぱりそうですよね。」黒田「ただ場合によっては特別償却ができたり、固定資産税の減額などの措置もあります。また、災害等があった時に申告などの期限の延長や納付を一定期間猶予する制度など、ほかにも様々な制度や特例もあるので、被災の状況が落ち着いてから近くの税務署に相談に行くのが良いかもしれませんね。」リエ「わかりました! ありがとうございます!」
2018.12.17 16:39:15