中古マンションの購入時に行う補修工事の処理
リエちゃんと恵子ちゃんは、なにやら打合せの最中です。そこに監査を終えた黒田さんがやってきました。
恵子「黒田さん、こんにちは。一つご質問宜しいでしょうか?」
黒田「はい。もちろんです。どのようなことでしょうか?」
恵子「会社で中古のマンションを購入し、賃貸として運用する計画があります。ただ候補の中古マンションは、老朽化が進んでいて、賃貸するには、雨漏りの補修工事が必要です。この場合の工事費用は、どのように処理したら良いでしょうか?できれば、修繕費として処理したいと思っているのですが。」
リエ「今回の工事は、雨漏りの補修であり、中古マンションの原状回復工事です。修繕費処理することに特段問題はないと思っているのですが。」
黒田「では、そもそも減価償却資産の購入価額はどのように決定されるのか、もう一度考えてみましょう。」
リエ「えーっと確か、購入によって取得した減価償却資産の取得価額は、当該資産の購入代価に当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額を加算した価額ですよね。」
黒田「その通りです。もちろんこの取扱いは、中古資産を購入した場合であっても同様です。」
リエ「今回の補修工事は、中古マンションを賃貸にだすためには、必須な支出です。中古マンションの購入直後に行われる以上、事業の用に供するために直接要した費用とされるということでしょうか?」
黒田「はい。そのため、修繕費ではなく、中古マンションの取得価額に算入する必要がありますよ。」
恵子「よく分かりました。黒田さん、ありがとうございます。」