拡充される生命保険料等の控除証明書の提出方法
リエ「平成30年分の確定申告から生命保険料等の控除証明書の提出方法が増えると聞きました。」
黒田「平成28年度税制改正において、確定申告書等に添付すべき証明書等の範囲の拡充が行われています。」
リエ「どのような内容なのでしょうか。」
黒田「平成31年1月以後に確定申告書を電子申告する場合には、生命保険料等の控除証明書を電子的控除証明書等で提出することができるようになります。」
リエ「生命保険料等の控除証明書をデータで送付するということですか。」
黒田「はい。具体的には、(1)生命保険料控除証明書、(2)地震保険料控除証明書、(3)寄付金の受領書の3点が電子的控除証明書等で提出することができるようになります。」
リエ「平成30年分の年末調整作業にも影響するのでしょうか。」
黒田「電子的控除証明書等を利用しての年末調整は、平成32年10月1日以後とされていますので、平成30年の年末調整作業は、今までと同じで各保険会社から発行された紙の生命保険料控除証明書等を使用して行うことになります。現時点では、私もまだ各保険会社等が生命保険料等控除証明書を電子的控除証明書等に切り替えたと耳にしていません。実際に本格的に稼働するのは、年末調整でも利用できるようになる平成32年10月以降になるかもしれませんね。」
リエ「もし年末調整ではまだ利用できない平成31年分の生命保険料等の控除証明書が電子的控除証明書等で発行された場合はどうすればよいのでしょうか。また、電子的控除証明書等で生命保険料控除証明書等を受け取った場合、確定申告書の提出は電子申告で行わなければならないのでしょうか。」
黒田「生命保険会社等から送信された電子的控除証明書等を国税庁のホームページにあるQRコード付証明書等作成システムで読み込んでいただき、QRコードの印字された証明書(PDF)を作成していただきます。そのQRコード付控除証明書等を印刷していただければ、今までと同じ紙面での控除証明書として添付書類として使用することができます。」
リエ「電子的控除証明書等を受け取る場合には、生命保険会社等から控除証明書等を受信するアドレスの登録が必要となりますね。」
黒田「各生命保険会社等からご案内いただけると思いますが、手続きや受取側のセキュリティ対応で混乱するかもしれませんので、利用される場合には余裕をもって対応した方が良さそうですね。」