身近で起こっているインターネットの脅威について その14
「サイバー空間をめぐる脅威の情勢」、警視庁が発表
1.このニュースをザックリ言うと
- 10月5日(日本時間)、警視庁サイバーセキュリティ対策本部より、「平成30年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢について」と題した資料が発表されました。
- これは都内の「サイバー犯罪の相談状況」「インターネットバンキングの不正送金事犯の状況」「サイバー犯罪の検挙状況」、および全国の「サイバー攻撃の情勢等」についてまとめられたものです。
- 標的型攻撃メール(※)の件数は2,578件で、前年同期に比べ1,989件増加としており、その約87%にあたる2,246件が「ばらまき型」とのことです。
※警察発表における「標的型攻撃メール」とは、「①迷惑メールと異なり、業務等に関連した内容を装うなど、一見すると正当なメールと区別がつきにくい」「②市販のウイルス対策ソフトで検知できない不正プログラムに感染させようとする」との特徴があるものを指しています。
- サイバー犯罪の相談状況については、相談受理件数の総数が5,623件と前年同期から1,757件減少しており、最も多いのは「詐欺・悪質商法」に関する2,414件(全体の42.9%)となっています。
2.執筆者からの所感等
- 前述したサイバー犯罪の相談受理件数や、インターネットバンキングの不正送金事犯の発生件数や被害額については、平成28年の結果から概ね減少が続いており、警察や金融機関による監視や決済確認手続き等の徹底が功を奏しているものとされています。
- 一方で標的型攻撃メールの件数については、前年下半期が589件と近年では落ち着いていた一方、同下半期に5,438件と急増、そこから今年上半期の2,578件に半減と乱高下しており、今年下半期やそれ以降の実績がどうなるかは未知数です。
- ともあれ警察やセキュリティ機関からの警告に注視し、あるいはこれらへ適宜相談を行うことを引き続き心がけていき、またアンチウイルス・UTMその他による防御を確実に行うことにより、サイバー攻撃への備えを十分に行って頂ければ幸いです。