HOME コラム一覧 「連結FS作成における在外子会社等会計処理の当面の取扱い」が改正

「連結FS作成における在外子会社等会計処理の当面の取扱い」が改正

post_visual

 企業会計基準委員会(ASBJ)は9月14日、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」及び実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」の改正を公表した。ASBJでは5月28日に公開草案を公表し、パブリックコメントを募集していた。

 実務対応報告第18号の改正は、2006年の同実務対応報告の公表から本実務対応報告改正の検討時点までの間に、新規に公表又は改正された国際財務報告基準及び米国会計基準を対象に、修正項目として追加する項目の有無について検討を行ったもの。我が国の会計基準に共通する考え方と乖離するか否かの観点や実務上の実行可能性の観点に加えて、子会社における取引の発生可能性や子会社において発生する取引の連結財務諸表全体に与える重要性の観点等から検討を行い、その結果、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合の組替調整を修正項目として追加することとした。

 具体的には、まず在外子会社等において、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合には、当該資本性金融商品の売却を行ったときに、連結決算手続上、取得原価と売却価額との差額を当期の損益として計上するよう修正する旨の規定が追加された。また、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」の定め又は国際会計基準第39号「金融商品:認識及び測定」の定めに従って減損処理の検討を行い、減損処理が必要と判断される場合には、連結決算手続上、評価差額を当期の損失として計上するよう修正する旨の規定も追加された。また、実務対応報告第24号の改正も、在外子会社等において資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合の組替調整を新たに修正項目として取り扱うというもの。

 適用は2019年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から(公表日以後最初に終了する連結会計年度及び四半期連結会計期間において早期適用可。また、2020年4月1日以後開始する連結会計年度の期首又は在外子会社等が初めて国際財務報告基準第9号「金融商品」を適用する連結会計年度の翌連結会計年度の期首から適用することができるものとされている。その場合は、2019年4月1日以後開始する連結会計年度以降の各連結会計年度において、本改正後の実務対応報告を適用していない旨の注記が必要)。 本改正の適用初年度においては、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱う。ただし、会計方針の変更による累積的影響額を当該適用初年度の期首時点の利益剰余金に計上することができる。

この記事の執筆者

日本IPO実務検定協会
財務報告実務検定事務局

この記事のカテゴリ

この記事のシリーズ

関連リンク

財務報告実務情報一覧(旧サイトバックナンバー)

企業結合会計基準の改正案が公表

東証、2019年3月期1Qの決算発表状況公表、依然特定日に決算発表が集中

税務・会計に関する情報を毎週無料でお届けしています!

メルマガ登録はこちら


コラム
/column/2018/img/thumbnail/img_11_s.jpg
 企業会計基準委員会(ASBJ)は9月14日、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」及び実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」の改正を公表した。ASBJでは5月28日に公開草案を公表し、パブリックコメントを募集していた。  実務対応報告第18号の改正は、2006年の同実務対応報告の公表から本実務対応報告改正の検討時点までの間に、新規に公表又は改正された国際財務報告基準及び米国会計基準を対象に、修正項目として追加する項目の有無について検討を行ったもの。我が国の会計基準に共通する考え方と乖離するか否かの観点や実務上の実行可能性の観点に加えて、子会社における取引の発生可能性や子会社において発生する取引の連結財務諸表全体に与える重要性の観点等から検討を行い、その結果、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合の組替調整を修正項目として追加することとした。 具体的には、まず在外子会社等において、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合には、当該資本性金融商品の売却を行ったときに、連結決算手続上、取得原価と売却価額との差額を当期の損益として計上するよう修正する旨の規定が追加された。また、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」の定め又は国際会計基準第39号「金融商品:認識及び測定」の定めに従って減損処理の検討を行い、減損処理が必要と判断される場合には、連結決算手続上、評価差額を当期の損失として計上するよう修正する旨の規定も追加された。また、実務対応報告第24号の改正も、在外子会社等において資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合の組替調整を新たに修正項目として取り扱うというもの。  適用は2019年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から(公表日以後最初に終了する連結会計年度及び四半期連結会計期間において早期適用可。また、2020年4月1日以後開始する連結会計年度の期首又は在外子会社等が初めて国際財務報告基準第9号「金融商品」を適用する連結会計年度の翌連結会計年度の期首から適用することができるものとされている。その場合は、2019年4月1日以後開始する連結会計年度以降の各連結会計年度において、本改正後の実務対応報告を適用していない旨の注記が必要)。 本改正の適用初年度においては、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱う。ただし、会計方針の変更による累積的影響額を当該適用初年度の期首時点の利益剰余金に計上することができる。
2018.10.11 16:20:11