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消費税の軽減税率対象品とは?

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リエ「黒田さん、来年から消費税率が引き上げられるのですよね?」

黒田「はい。平成31年10月1日より8%から10%へと引き上げられます。」

リエ「でも引き上げられないものもあるのですよね?」

黒田「そうです。軽減税率といって、酒類・外食を除く飲食料品や週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)に関しては8%の税率がそのまま適用されます。」

リエ「飲食料品を取り扱っていない当社にはあまり関係ないですね。」

黒田「そうでもありませんよ。飲食料品を販売はしていなくても、経費には結構、飲食料品が入っていますよ。例えばミネラルウォーターとかお茶菓子とか。」

リエ「なるほど。では水道料金も軽減税率の対象ですか?」

黒田「水道水は炊事や飲用のための食品としての水と、風呂や洗濯といった生活用水としての水が混在していますので対象ではありませんね。あとは、飲用ですけど医薬品等に該当する栄養ドリンクも対象にはなりません。」

リエ「お酒も対象にならないのですよね。」

黒田「はい。酒税法に規定する酒類は対象外になります。しかし、酒税法に規定されていないノンアルコールビールや甘酒は対象品になります。」

リエ「なかなか難しいですね……。ほかに何か注意点はありますか?」

黒田「外食の範囲にも注意が必要ですね。軽減税率の対象とならない『食事の提供』とは、飲食設備(椅子、テーブル、カウンター等)のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供です。ファストフード店やコンビニなどで買い物をし、持ち帰れば軽減税率の対象となりますが、店内やイートインコーナーで飲食をすれば対象にはなりません。」

リエ「ファストフード店は注文の際に、店内か持ち帰りかを確認されますが、コンビニでも今後確認されるようになるのですかね?」

黒田「大半の商品が持ち帰りを前提として営業しているコンビニの場合は、一人ひとりに確認するのではなく、例えばイートインコーナーをご利用の場合はお申し出ください等の掲示をして意思確認を行う方法でも差し支えないようです。その他、外食の範囲では、ケータリングや出張料理はお客の指定した場所において行う加熱、調理又は給仕の役務を伴う飲食料品の提供になるため、軽減税率の対象にはなりません。一方、蕎麦などの出前は、お客の指定した場所まで単に飲食料品を届けるだけであるため、軽減税率の対象になります。」

リエ「新聞に関してはすべて軽減税率の対象と考えてよろしいですか?」

黒田「軽減税率の対象となる新聞とは、一定の題号を用い、政治・経済・社会・文化等に関する一般的事実を掲載する週2回以上発行されるもので、定期購読契約に基づくものに限られます。ですので、例えばスポーツ新聞でも定期購読契約を結んであれば軽減税率の対象となりますが、コンビニ等で毎日購入している場合は対象にはなりません。また、インターネットによって配信される電子版の新聞は、電気通信利用役務の提供に該当し、新聞の譲渡ではないので、こちらも対象にはなりません。」

リエ「軽減税率って、一般消費者としては嬉しいですけど、経理担当者としては悩ましいですね。」

監修

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税理士 坂部達夫

坂部達夫税理士事務所/(株)アサヒ・ビジネスセンター

 東京都墨田区にて平成元年に開業して以来、税務コンサルを中心に問題解決型の税理士事務所であることを心がけて参りました。
 おかげさまで弊所は30周年を迎えることができました。今後もお客様とのご縁を大切にし、人に寄り添う税務に取り組んでいきます。

メールマガジンやセミナー開催を通じて、様々な情報を発信しています。

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リエ「黒田さん、来年から消費税率が引き上げられるのですよね?」黒田「はい。平成31年10月1日より8%から10%へと引き上げられます。」リエ「でも引き上げられないものもあるのですよね?」黒田「そうです。軽減税率といって、酒類・外食を除く飲食料品や週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)に関しては8%の税率がそのまま適用されます。」リエ「飲食料品を取り扱っていない当社にはあまり関係ないですね。」黒田「そうでもありませんよ。飲食料品を販売はしていなくても、経費には結構、飲食料品が入っていますよ。例えばミネラルウォーターとかお茶菓子とか。」リエ「なるほど。では水道料金も軽減税率の対象ですか?」黒田「水道水は炊事や飲用のための食品としての水と、風呂や洗濯といった生活用水としての水が混在していますので対象ではありませんね。あとは、飲用ですけど医薬品等に該当する栄養ドリンクも対象にはなりません。」リエ「お酒も対象にならないのですよね。」黒田「はい。酒税法に規定する酒類は対象外になります。しかし、酒税法に規定されていないノンアルコールビールや甘酒は対象品になります。」リエ「なかなか難しいですね……。ほかに何か注意点はありますか?」黒田「外食の範囲にも注意が必要ですね。軽減税率の対象とならない『食事の提供』とは、飲食設備(椅子、テーブル、カウンター等)のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供です。ファストフード店やコンビニなどで買い物をし、持ち帰れば軽減税率の対象となりますが、店内やイートインコーナーで飲食をすれば対象にはなりません。」リエ「ファストフード店は注文の際に、店内か持ち帰りかを確認されますが、コンビニでも今後確認されるようになるのですかね?」黒田「大半の商品が持ち帰りを前提として営業しているコンビニの場合は、一人ひとりに確認するのではなく、例えばイートインコーナーをご利用の場合はお申し出ください等の掲示をして意思確認を行う方法でも差し支えないようです。その他、外食の範囲では、ケータリングや出張料理はお客の指定した場所において行う加熱、調理又は給仕の役務を伴う飲食料品の提供になるため、軽減税率の対象にはなりません。一方、蕎麦などの出前は、お客の指定した場所まで単に飲食料品を届けるだけであるため、軽減税率の対象になります。」リエ「新聞に関してはすべて軽減税率の対象と考えてよろしいですか?」黒田「軽減税率の対象となる新聞とは、一定の題号を用い、政治・経済・社会・文化等に関する一般的事実を掲載する週2回以上発行されるもので、定期購読契約に基づくものに限られます。ですので、例えばスポーツ新聞でも定期購読契約を結んであれば軽減税率の対象となりますが、コンビニ等で毎日購入している場合は対象にはなりません。また、インターネットによって配信される電子版の新聞は、電気通信利用役務の提供に該当し、新聞の譲渡ではないので、こちらも対象にはなりません。」リエ「軽減税率って、一般消費者としては嬉しいですけど、経理担当者としては悩ましいですね。」
2018.09.03 16:25:13