QRコード決済によるキャッシュレス化
本日、リエちゃんは中小企業診断士の進藤さんとQRコードを利用するキャッシュレス決済について雑談をしています。
リエ「中国ではQRコードを使って決済するということを聞きますが、そもそもQRコード決済とは、どういうものですか?」
進藤「QRコード決済はモバイルペイメントの一種で、店舗での支払いの際に、店舗側でPOSなどに表示するQRコードをユーザーのスマホで読み取る、またはユーザーのスマホ・アプリでQRコードを表示して、店舗側がスキャナーなどで読み取ることで決済する方法のことをいいます。」
リエ「他のキャッシュレス決済、例えばクレジットカード、電子マネーと何が違うのですか?」
進藤「クレジットカード、電子マネー決済の場合、事業者側の問題として、(1)決済用の端末の導入と通信回線が必要になる、(2)加盟店の手数料負担が重い、(3)現金化までのタイムラグがある、などの問題から中小の小売店飲食店では対応できない所が数多くあります。また、(4)インバウンドに対応するインフラが整備されていないという問題もあります。これに対して、QRコード決済は、導入する店舗において、専用端末を用意する必要がなく、スマホやタブレットでアプリをダウンロードするだけで済むので、導入コストを下げることができます。また、手数料も廉価になっているので、中小の店舗でも導入しやすくなっています。ユーザー側においても、機種に依存することなくアプリをスマホにダウンロードすれば使用できるので、インバウンドの対応も容易です。」
リエ「現在使用できるQRコード決済は、どのようなものがありますか?」
進藤「日本では、会員IDを利用した楽天ペイ、LINEアカウントをベースにしたLINE Pay、NTTドコモのd払い、ベンチャー企業OrigamiのOrigami pay、ヤフースマホ決済などがあります。さらに、その成長性に注目して参入する事業者が増加しています。中国ではアリババグループのAlipayとWeChat Payが2大勢力になっています。」
リエ「いろいろな業者が参入して、ばらばらに運営していると問題が起きませんか?」
進藤「その通りです。そこで、規格統一のために経済産業省が動いて、これから普及・増加する可能性の高いQRコード決済について、技術的・業務的仕様の標準化を推進しています。また、三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは、QRコードの規格を統一することで合意しており、Bank Payの普及を目指しています。」
リエ「QRコード決済で気を付ける点はありますか?」
進藤「QRコードを読み取る場合、不正な詐欺のQRコードを読み込まないように注意します。また、スマホが正常に使用できる状態であることが必要なので、電池切れ、ウィルス、迷惑メール、詐欺サイトなどに気を付けます。」
リエ「キャッシュレスは、電子マネーとクレジットカードで十分と思っていましたが、店舗側のコスト負担などの問題があって進まないということなら、QRコード決済はその問題に対する一つの解決方法ということになりますね。ありがとうございました。」