HOME コラム一覧 民泊の課税関係を教えてください!

民泊の課税関係を教えてください!

post_visual

リエ「黒田さんこんにちは。親戚のことについてなんですけど、質問してもいいですか?」

黒田「こんにちはリエちゃん、どんなお話ですか。」

リエ「数年前に、親戚が自宅の空き部屋で民泊を始める、という相談をさせていただいたんです。実はその親戚、民泊にはまっちゃいまして、民泊新法(住宅宿泊事業法)の届け出も提出しましたし、大々的に民泊を行うみたいなんです。」

黒田「なるほど、オリンピックに向けての需要はあるけれど、民泊新法の基準が厳しいという話題を聞きますね。届出が済んでいるのであれば一安心でしょうか。」

リエ「届け出までも大変だったみたいですけど、確定申告をするにあたり、課税関係についても不安があるみたいなんです。」

黒田「そうですか。その方は、他に不動産賃貸業を行う方ではなかったですよね。」

リエ「はい、サラリーマンです。」

黒田「その場合、民泊で得られる所得は雑所得になります。もし、民泊事業だけで生計を立てているようであれば、事業所得に該当します。」

リエ「不動産所得にはならないですか?」

黒田「普段不動産賃貸業に利用しているお部屋を、一時的に民泊に利用するような場合は、不動産所得に含めても差し支えないですが、原則的には雑所得とします。」

リエ「なるほど。必要経費に算入できるものは何があるでしょう。」

黒田「民泊で対価を得るために直接要した費用は、必要経費に算入できます。具体的には、仲介手数料や広告費、宿泊者用の日用品や設備代、水道光熱費などです。減価償却費や固定資産税も必要経費にできます。」

リエ「自宅の空き部屋を活用しているのですが、全部経費というわけにはいかないですよね。」

黒田「その通りですね。仲介手数料や広告費は民泊で収益を得るため直接に要した費用なので全額が必要経費です。水道光熱費、減価償却費や固定資産税については、自宅・生活部分と、民泊・業務用部分に区分して、民泊・業務用部分のみを必要経費とします。」

リエ「日用品代などは物理的にどちらで使ったかわかりますが、そうでないものはどのように区分したらいいですか。」

黒田「合理的な方法により按分して計算する必要があります。具体的には、届け出書に記載した民泊事業に利用している床面積の、総床面積に占める割合や、実際に宿泊客を宿泊させた日数などを基に計算します。」

リエ「ありがとうございます。難しいですが、親戚にも教えてあげようと思います。」

黒田「わからなかったらまた相談してください。素敵な出会いがあるといいですね。」

監修

profile_photo

税理士 坂部達夫

坂部達夫税理士事務所/(株)アサヒ・ビジネスセンター

 東京都墨田区にて平成元年に開業して以来、税務コンサルを中心に問題解決型の税理士事務所であることを心がけて参りました。
 おかげさまで弊所は30周年を迎えることができました。今後もお客様とのご縁を大切にし、人に寄り添う税務に取り組んでいきます。

メールマガジンやセミナー開催を通じて、様々な情報を発信しています。

この記事のカテゴリ

この記事のシリーズ

OLリエちゃんの経理奮闘記

記事の一覧を見る

関連リンク

高校生等への就学支援金

税務・会計に関する情報を毎週無料でお届けしています!

メルマガ登録はこちら


コラム
/column/2018/img/thumbnail/img_07_s.jpg
リエ「黒田さんこんにちは。親戚のことについてなんですけど、質問してもいいですか?」黒田「こんにちはリエちゃん、どんなお話ですか。」リエ「数年前に、親戚が自宅の空き部屋で民泊を始める、という相談をさせていただいたんです。実はその親戚、民泊にはまっちゃいまして、民泊新法(住宅宿泊事業法)の届け出も提出しましたし、大々的に民泊を行うみたいなんです。」黒田「なるほど、オリンピックに向けての需要はあるけれど、民泊新法の基準が厳しいという話題を聞きますね。届出が済んでいるのであれば一安心でしょうか。」リエ「届け出までも大変だったみたいですけど、確定申告をするにあたり、課税関係についても不安があるみたいなんです。」黒田「そうですか。その方は、他に不動産賃貸業を行う方ではなかったですよね。」リエ「はい、サラリーマンです。」黒田「その場合、民泊で得られる所得は雑所得になります。もし、民泊事業だけで生計を立てているようであれば、事業所得に該当します。」リエ「不動産所得にはならないですか?」黒田「普段不動産賃貸業に利用しているお部屋を、一時的に民泊に利用するような場合は、不動産所得に含めても差し支えないですが、原則的には雑所得とします。」リエ「なるほど。必要経費に算入できるものは何があるでしょう。」黒田「民泊で対価を得るために直接要した費用は、必要経費に算入できます。具体的には、仲介手数料や広告費、宿泊者用の日用品や設備代、水道光熱費などです。減価償却費や固定資産税も必要経費にできます。」リエ「自宅の空き部屋を活用しているのですが、全部経費というわけにはいかないですよね。」黒田「その通りですね。仲介手数料や広告費は民泊で収益を得るため直接に要した費用なので全額が必要経費です。水道光熱費、減価償却費や固定資産税については、自宅・生活部分と、民泊・業務用部分に区分して、民泊・業務用部分のみを必要経費とします。」リエ「日用品代などは物理的にどちらで使ったかわかりますが、そうでないものはどのように区分したらいいですか。」黒田「合理的な方法により按分して計算する必要があります。具体的には、届け出書に記載した民泊事業に利用している床面積の、総床面積に占める割合や、実際に宿泊客を宿泊させた日数などを基に計算します。」リエ「ありがとうございます。難しいですが、親戚にも教えてあげようと思います。」黒田「わからなかったらまた相談してください。素敵な出会いがあるといいですね。」
2018.07.09 16:40:42