スタッフの積極性を高める方法
今回は、「リンゲルマン効果」で
スタッフの積極性を高めた事例をご紹介します。
リンゲルマン効果は「一人で作業を行うときよりも、
集団で作業を行うときの方が、一人あたりの作業量が低下する」
という現象です。
この法則を実証する実験があります。
被験者がロープを引っ張り、その強さを測定するという実験です。
(A:一人の力/B:複数人の場合の一人当たりの力)
結果は、A>B。
Bの方が小さくなってしまったのです。
理由は、複数人の場合は
「自分が一生懸命にならなくても大丈夫だろう」と
手を抜いてしまう心理が働くためだと言われています。
Y先生はこの「リンゲルマン効果」を逆手にとって、
次のような活動を行いました。
Y先生の事務所は、スタッフが十数人います。
Y先生によると、事務所のスタッフは
自分の意見をあまり言わなかったり、
業務の取り組み方が受身であったり、という方が多く、
事務所の決め事や指示は先生が全て行う”トップダウン”の
組織だったそうです。
しかし、実はこの“トップダウン”はY先生の悩みであり、
「スタッフに意見を言ってもらい、積極的になってもらうには
どうすればよいのだろう?」とずっと考えていました。
そこで、Y先生は3名程度のプロジェクトチームをいくつか作り、
各チームに事務所で改善したいテーマを担当してもらうことにしました。
(業務改善チーム、福利厚生チーム、新人教育チームなど)
このような活動を少人数で行うメリットは
・自分の意見は話す価値がない
・大人数の前で恥をかきたくない
という考えを持っている人も
比較的気負わず発言ができる点です。
Y先生の事務所では、この活動を通じて、
スタッフが積極的に自分の意見を言うようになり、
スタッフ同士のコミュニケーションも
今までより活発になったそうです。
「もっとスタッフに積極的になってほしい」という先生は、
プロジェクトチームの活動を試してみてはいかがでしょうか。