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相続税の特徴

税務
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Q:相続税の特徴

相続税について関心がありますが、その計算は非常に複雑で容易に理解することは困難であると聞いています。まずは、可能な限り簡単に、わが国の相続税の特徴について説明してください。

A:

 相続税の特徴として、①一生に1回の課税であること、②相続財産等を取得した相続人等に対する課税(遺産取得税体系)であること、③超過累進税率による課税であることが挙げられます。

解説

 わが国の現行の相続税の特徴として、下記(1)から(3)に掲げる3点が挙げられます。

(1) 一生に1回の課税であること

 わが国の相続税は、人間(自然人)の死亡(注)を課税原因としていることから、通常、同一の自然人の死亡は一生に1回のことであることから、相続税の課税も、原則として、一生に1回の課税となります。
(注) 民法第31条(失踪の宣告の効力)の規定によって、死亡したものとみなされる場合も含まれます。
 なお、わが国の相続税法の条文では、相続により財産を取得した一定の個人は相続税の納税義務を有する旨の取扱いが規定されていますが、この『相続』という用語自体の定義は明示されていません。この場合の解釈としては、『借用概念』(注)として、民法第82条(相続開始の原因)に規定する『相続は、死亡によって開始する。』との取扱いが用いられているものと理解されます。
(注)『借用概念』とは、ある租税法規において用いられている用語について直接的な定義が当該租税法規(通達等を含みます。)において明示されておらず、これを他の法律領域(これにも規定されていない場合には、日常の社会生活等において経験則的に用いられている一般的な解釈理解)に求める(借用)ことをいいます。

(2) 『遺産取得税体系』であること

 わが国の相続税は、被相続人がどれだけ財産を残したのかに主眼を置いて課税する(このような課税体系を『遺産税体系』といいます。)のではなく、原則として被相続人から財産を取得した各相続人等の状況に応じて課税し、納税を求める体系(このような課税体系を『遺産取得税体系』といいます。)が採用されています。
 ただし、現行(注)の相続税の計算体系においても、その計算体系の一部(具体的には、相続税の総額の計算)に遺産税体系が採用されています。

(3) 『超過累進税率』による課税であること

 わが国の相続税の存立意義の1つとして、相続税課税を通じての富の再配分機能が挙げられます。この目的を達成するために、わが国の相続税の税率構造は、いわゆる『超過累進税率』(課税対象額を複数の段階に区分し、各段階ごとに異なる税率を適用するものとされており、かつ、当該適用される税率は上位の段階に進むに従って、順次、高率が適用される方式)が適用されています。現行の相続税の計算体系では、最低10%から最高55%までの8段階の超過累進税率が適用されています。


このコンテンツの内容は、平成30年2月1日現在において公表されている法令・通達及び「平成30年度税制改正の大綱」等の内容によっています。

資料提供(出典)

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平成30年3月改訂          これだけはおさえておきたい     相続税の実務Q&A

発行日:2018年3月16日
発行元:株式会社 清文社
規格:B5判 788頁

著者:税理士 笹岡宏保 著

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2018.06.27 09:29:28