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【建設】「多能工化」への期待

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1.建設業振興基金が事務局を努める「建設産業担い手確保・育成コンソーシアム」の調査で、多能工化への期待の大きさが改めて確認された。
 多能工化が必要との回答は、総合工事業の建築で72.7%、土木で80.2%、専門工事業の建築関係で51.9%、土木関係で63.4%に上った。

2.多能工化のメリットとしては以下が考えられる。
①忙しい工事、工種に人員を移すことが容易にできることから、納期遅延を防止できる。
②特定のスタッフへの過重な負担が軽減され、相互扶助によりチームワークが向上する。
③スタッフとしても能力の向上が実感でき、仕事に対するモチベーションが高まる。

3.多能工化については、以下の手順で取り組む。
①各業務に必要とされるスキルを明確化する。
②各業務の進め方を可視化、マニュアル化する。
③重要な業務の細分化や重要性の低い業務の統合やカットを検討し、業務の生産性向上にも取り組む。
④各企業の戦略に従い、重要な部門からOJTを計画し、実行する。
⑤多能工化への取り組みの効果を評価し、成果に対しては公正な処遇を行う。

4.長年人材不足が叫ばれている建設業界においては、震災の復興や東京オリンピックでさらに人手不足が深刻化すると思われる。これらの事態に対応するためにも、「多能工化」は大企業だけでなく、地方の中小建設業にとっても避けて通ることのできない重要課題である。国土交通省をはじめ各行政機関も「多能工化」を支援する施策を進めていくものと思われる。

この記事の執筆者

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吉永 茂

一般社団法人コンサル技連

【コラム紹介文】
一般社団法人コンサル技連(略称:CML)/代表理事 吉永茂が、全国の士業事務所の皆様に、中小企業に対する“経営助言業務”の強化を図るための様々な視点を提示します。
 得意とする建設業種特化のみならず、幅広い業種に適用できるテーマを取り上げます。
【経歴】
1942年生まれ
中央大学卒
公認会計士・税理士
建設会社勤務中、公認会計士試験に合格。監査法人勤務を経て、35歳で独立、現在に至る。
熊本学園大学会計職専門大学院 専任教授(前職)
一般社団法人コンサル技連 代表理事
税理士法人ユース会計社 会長
京都大学経営管理大学院 特命教授

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1.建設業振興基金が事務局を努める「建設産業担い手確保・育成コンソーシアム」の調査で、多能工化への期待の大きさが改めて確認された。 多能工化が必要との回答は、総合工事業の建築で72.7%、土木で80.2%、専門工事業の建築関係で51.9%、土木関係で63.4%に上った。2.多能工化のメリットとしては以下が考えられる。①忙しい工事、工種に人員を移すことが容易にできることから、納期遅延を防止できる。②特定のスタッフへの過重な負担が軽減され、相互扶助によりチームワークが向上する。③スタッフとしても能力の向上が実感でき、仕事に対するモチベーションが高まる。3.多能工化については、以下の手順で取り組む。①各業務に必要とされるスキルを明確化する。②各業務の進め方を可視化、マニュアル化する。③重要な業務の細分化や重要性の低い業務の統合やカットを検討し、業務の生産性向上にも取り組む。④各企業の戦略に従い、重要な部門からOJTを計画し、実行する。⑤多能工化への取り組みの効果を評価し、成果に対しては公正な処遇を行う。4.長年人材不足が叫ばれている建設業界においては、震災の復興や東京オリンピックでさらに人手不足が深刻化すると思われる。これらの事態に対応するためにも、「多能工化」は大企業だけでなく、地方の中小建設業にとっても避けて通ることのできない重要課題である。国土交通省をはじめ各行政機関も「多能工化」を支援する施策を進めていくものと思われる。
2018.06.07 16:26:24