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遺産分割の際の留意点

法務 相続
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今回は,相続が発生し,遺産分割をするまでの留意点について触れたいと思います。

1 相続人の確定

 まず,誰が相続人になるかを明確にする必要があります。もし,相続人である人を含めずに遺産分割協議を行った場合には,その遺産分割は無効となりますし,相続人でない人を含めて遺産分割を行っても,同じく遺産分割は無効となります(もっとも,相続開始後に認知されたことで相続人となった人が遺産の分割を請求する場合,他の共同相続人が既に遺産分割や遺産の処分をしていたときは,民法910条により,価格による請求のみが可能です)。誰が相続人であるかは,相続人の方の戸籍謄本,除籍謄本,改製原戸籍謄本等により判断します。稀に,相続人相続人が生前に離婚されていて,離婚された方との間にお子さんがいたにも関わらず,その方を除いて遺産分割をしていたケースもありますので,注意が必要です。

2 遺産の範囲の調査

 本来であれば遺産に含まれる財産を含めずに遺産分割協議をしてしまった場合,含まれなかった財産について再び分割の手続きが必要となりますし,遺産分割に含まれない財産を間違えて遺産に含めて遺産分割協議をしてしまった場合,錯誤として遺産分割全体が無効となることもあり得ます。
遺産の範囲の調査方法として,不動産であれば不動産登記事項証明書や固定資産税納税通知書等,預貯金や金融商品であれば取扱金融機関や証券会社に残高証明書の発行を依頼することが挙げられます。

3 遺産分割のやり直し

 もし,遺産分割協議が無効であるとして,遺産分割協議をやり直した場合は,修正申告位よる税額の是正が必要となります。一方,遺産分割のやり直しの方法として,有効に成立した遺産分割協議を合意解除して,改めて遺産分割を行うということもあり得ます。もっとも,この場合,税務上は遺産分割以外の原因(売買や交換,贈与等)により財産を取得したものとして取り扱われることになり,新たな課税関係が発生してしまうことになります。両者は,遺産分割に無効原因があるか否かという違いがありますが,その有無の判断は微妙な問題でもありますので,遺産分割のやり直しには特に注意する必要があります。ご心配な場合には,お早めに法律事務所にご相談されて下さい。

執筆者情報

弁護士 日髙 太一

弁護士法人ALAW&GOODLOOP

会計事務所向け法律顧問
会計事務所向けセミナー

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今回は,相続が発生し,遺産分割をするまでの留意点について触れたいと思います。
2018.04.25 17:44:26