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給与所得者の特定支出控除について教えてください!

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リエ「黒田さん、以前給与所得者の特定支出控除についてお聞きしましたが、また制度が変わりましたか? お友達の弟さんが契約社員なのですが、通勤費が勤務先から出ないそうなので、この制度をつかえないかなぁと思いまして。」

黒田「そうですか、それはたいへんですね。平成27年分までは、その年中の給与等の収入金額が1500万円以下の方はその年中の給与所得控除額×1/2、1500万円超の方は125万円が適用判定の基準額でしたが、平成28年分からは一律その年中の給与所得控除×1/2が適用判定の基準額となりました。この基準額を超える特定支出があった場合に、その超える金額が給与所得控除後の給与所得から差し引けるわけですが、この特定支出控除の対象となる支出には、通勤費、転居費、研修費、資格取得費、単身赴任などの場合の帰宅費、図書費、衣服費、交際費の勤務必要経費が該当するので、お友達の弟さんの通勤費はこの制度を使えるかもしれませんね。」

リエ「よかった。でも、使い勝手があまりよくなかったのでしたっけ?」

黒田「そうなんですよ。まず、この適用を受けるためには確定申告が必要であることや、特定支出に関する明細書及び給与等の支払者の証明書の添付がある場合に限るなど、手続き上の要件があることもありますが、給与所得控除の1/2を超える支出はなかなか出ませんよね。例えば年収300万円の方の給与所得控除額の1/2の金額は54万円となります。1月の金額に考えると5万円近くの金額となりますので、この適用を受けられるだけの特定支出を負担できる方は少ないでしょう。実際、平成28年12月31日現在の給与所得者数は5744万人ですが、その内この特定支出控除を利用した人は1522名だったそうです。」

リエ「利用する方は増えてきているのでしょうか。」

黒田「そうですね。平成24度税制改正の影響で、平成24年分では6人だった利用者が平成25年分には1600人になったそうです。また、平成30年度の税制改正でも見直しが行われました。」

リエ「どのような見直しですか?」

黒田「平成32年分以降(住民税は平成33年度分以後)からの適用となりますが、特定支出の範囲に、職務の遂行に直接必要な旅費等で通常必要と認められるものが加えられます。特定支出の範囲に含まれている単身赴任者の帰宅旅費について、1月に4往復を超えた旅費を対象外にする制限を撤廃するとともに、今までは電車等の運賃及び料金に限定されていましたが、帰宅のために通常要する自動車を使用することにより支出する燃料費及び有料道路の料金も加えるとされています。」

リエ「少し範囲が広がりましたね。では、お友達の弟さんに通勤費の総額と、領収書をとってあるかなど聞いてみます。黒田さんいつもありがとうございます。」

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アサヒ・ビジネスセンター

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リエ「黒田さん、以前給与所得者の特定支出控除についてお聞きしましたが、また制度が変わりましたか? お友達の弟さんが契約社員なのですが、通勤費が勤務先から出ないそうなので、この制度をつかえないかなぁと思いまして。」黒田「そうですか、それはたいへんですね。平成27年分までは、その年中の給与等の収入金額が1500万円以下の方はその年中の給与所得控除額×1/2、1500万円超の方は125万円が適用判定の基準額でしたが、平成28年分からは一律その年中の給与所得控除×1/2が適用判定の基準額となりました。この基準額を超える特定支出があった場合に、その超える金額が給与所得控除後の給与所得から差し引けるわけですが、この特定支出控除の対象となる支出には、通勤費、転居費、研修費、資格取得費、単身赴任などの場合の帰宅費、図書費、衣服費、交際費の勤務必要経費が該当するので、お友達の弟さんの通勤費はこの制度を使えるかもしれませんね。」リエ「よかった。でも、使い勝手があまりよくなかったのでしたっけ?」黒田「そうなんですよ。まず、この適用を受けるためには確定申告が必要であることや、特定支出に関する明細書及び給与等の支払者の証明書の添付がある場合に限るなど、手続き上の要件があることもありますが、給与所得控除の1/2を超える支出はなかなか出ませんよね。例えば年収300万円の方の給与所得控除額の1/2の金額は54万円となります。1月の金額に考えると5万円近くの金額となりますので、この適用を受けられるだけの特定支出を負担できる方は少ないでしょう。実際、平成28年12月31日現在の給与所得者数は5744万人ですが、その内この特定支出控除を利用した人は1522名だったそうです。」リエ「利用する方は増えてきているのでしょうか。」黒田「そうですね。平成24度税制改正の影響で、平成24年分では6人だった利用者が平成25年分には1600人になったそうです。また、平成30年度の税制改正でも見直しが行われました。」リエ「どのような見直しですか?」黒田「平成32年分以降(住民税は平成33年度分以後)からの適用となりますが、特定支出の範囲に、職務の遂行に直接必要な旅費等で通常必要と認められるものが加えられます。特定支出の範囲に含まれている単身赴任者の帰宅旅費について、1月に4往復を超えた旅費を対象外にする制限を撤廃するとともに、今までは電車等の運賃及び料金に限定されていましたが、帰宅のために通常要する自動車を使用することにより支出する燃料費及び有料道路の料金も加えるとされています。」リエ「少し範囲が広がりましたね。では、お友達の弟さんに通勤費の総額と、領収書をとってあるかなど聞いてみます。黒田さんいつもありがとうございます。」
2018.04.16 17:00:36