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101)会社の成長を確認するための5つの指標

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 今回は、会社の成長を確認する管理会計上の指標と計算式を確認します。

①売上高増加率
 (当期売上高—前期売上高)/前期売上高×100
②付加価値増加率
 (当期付加価値—前期付加価値)/前期付加価値×100
③営業利益増加率
 (当期営業利益—前期営業利益)/前期営業利益×100
④経常利益増加率
 (当期経常利益—前期経常利益)/前期経常利益×100
⑤自己資本増加率
 (当期自己資本—前期自己資本)/前期自己資本×100

 計算式にしてしまえばこれだけのことですが、前回もお伝えしたように、この計算結果が200%だから良いとか、90%だから悪いといった判断には本来あまり意味がありません。大切なのは、何故その結果になったのかという要因分析です。

 要因には「内的要因」と「外的要因」があります。例えば、テレビの健康番組で取り上げられた商品をたまたま扱っていたので売上が伸びたのは「外的要因」で、営業マンが成長し、お客様との取引が増加すれば「内的要因」になります。内的要因は継続可能ですが、外的要因は一過性で終わる可能性があります。

 因みに、⑤の自己資本増加率は、増資を行えば成長率は一時的に伸びますが、継続的なものとは言えません。大切なのは、成長が継続するかどうかです。ほんの僅かな成長でも、継続すればやがて大きな成長になります。

 成長力はその要因分析まで終わって初めて意味をなします。そのことを踏まえ、3期分の決算書を用意して、先の計算を行ってみて下さい!

執筆者情報

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白川 正芳

株式会社楠本浩総合会計事務所代表取締役
一般財団法人B/S経営をすゝめる会 監事
一般財団法人M&Aで日本を再編成する会 理事
全国会計人共同体 副代表

1997年、株式会社楠本統合戦略マネージメント入社。株式会社楠本浩総合会計事務所へ転籍後、楠本税理士事務所へ7年間出向。その後、2009年35歳で代表取締役に就任。社外内部役員として多くの顧客の支持を集める。事業承継・組織再編・M&A・公益法人を活用した経営改善の支援等々、複雑な手術を手掛ける。

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 今回は、会社の成長を確認する管理会計上の指標と計算式を確認します。①売上高増加率 (当期売上高—前期売上高)/前期売上高×100②付加価値増加率 (当期付加価値—前期付加価値)/前期付加価値×100③営業利益増加率 (当期営業利益—前期営業利益)/前期営業利益×100④経常利益増加率 (当期経常利益—前期経常利益)/前期経常利益×100⑤自己資本増加率 (当期自己資本—前期自己資本)/前期自己資本×100 計算式にしてしまえばこれだけのことですが、前回もお伝えしたように、この計算結果が200%だから良いとか、90%だから悪いといった判断には本来あまり意味がありません。大切なのは、何故その結果になったのかという要因分析です。 要因には「内的要因」と「外的要因」があります。例えば、テレビの健康番組で取り上げられた商品をたまたま扱っていたので売上が伸びたのは「外的要因」で、営業マンが成長し、お客様との取引が増加すれば「内的要因」になります。内的要因は継続可能ですが、外的要因は一過性で終わる可能性があります。 因みに、⑤の自己資本増加率は、増資を行えば成長率は一時的に伸びますが、継続的なものとは言えません。大切なのは、成長が継続するかどうかです。ほんの僅かな成長でも、継続すればやがて大きな成長になります。 成長力はその要因分析まで終わって初めて意味をなします。そのことを踏まえ、3期分の決算書を用意して、先の計算を行ってみて下さい!
2018.04.09 08:45:19