賞与支払届の手続きの注意点
今日は守田先生の訪問日です。
守田「リエちゃんこんにちは。先日賞与の支給がありましたよね。どこかお出かけの予定とかあるのでしょうか。」
リエ「今のところないのですが、自分へのご褒美でパーッと使うのもいいかな~と思っています。」
守田「それはさておき、賞与支払届の手続きは済みましたか?」
リエ「まだでした。」
守田「仕事はしっかりしないといけませんね。賞与支払届作成にあたって、改めて注意点を確認しておきましょうか。」
リエ「お願い致します。」
守田「まず、賞与支払届の対象となる賞与は、名称を問わず労働の対象として年3回以下支払われるものをいいます。従って、年4回以上支払われる賞与や結婚祝金等の労働の対象でないものは届出の対象となる賞与とはなりません。なお、年4回以上支給される賞与は、標準報酬月額の対象となります。」
リエ「なるほど。7月に提出する『算定基礎届』に加味するのですね。」
守田「そうです。次に賞与にかかる社会保険料については、各被保険者の標準賞与額に毎月の給与にかかる保険料率と同じ保険料率を乗じて計算します。事業主と被保険者が折半で負担するのは、給与の場合と同様です。注意すべきなのは、健康保険・厚生年金保険それぞれに標準賞与額の上限が設定されていることです。」
リエ「標準賞与額の上限ですか? 意識したことなかったです。」
守田「標準賞与額の上限は、以下のようになっています。
健康保険 年度の累計額で573万円(※)
厚生年金保険 支給1ヵ月(同一月内に2回以上支給されたときは合算)150万円
※ 年度の途中で、転職などにより、加入する保険(協会けんぽまたは健康保険組合)が異なった場合には、賞与額の累計は行いません。」
リエ「高額すぎてピンとこないですけど、厚生年金の場合なら1ヵ月の支給で150万円を超える賞与の場合は、150万円に料率をかけて保険料を計算するということですね。」
守田「そういうことになります。その他の注意事項もいくつか紹介しておきます。
1.資格喪失月に賞与が支払われた場合、その賞与には保険料はかかりませんが、資格喪失の前日までに支払われた賞与は、年度累計の対象となるため、賞与支払届の提出が必要です。
2.産前産後休業・育児休業による保険料免除期間中に支払われた賞与は、保険料の対象にはなりませんが、年度累計の対象となるため、賞与支払届の提出が必要です。
3.賞与の支払予定月に賞与の支払いがなかった場合でも、賞与支払届総括表の届出は必要です(不支給を届け出ます)。」
リエ「分かりました。早々に作成&提出しておきます。ありがとうございました。」