小切手を受け取って現金にすぐ変えたいときに何をしたらよいのでしょうか?
営業新人の田村さんが、お得意先から小切手を受け取って経理に持ってきました。
田村「お客さんから、前月請求分を小切手で集金してきたのですが、これどうすればいいですか。」
リエ「受け取った小切手は現金と同じですから、現金と同様の入金の起票をしてくださいね。」
田村「現金と同じといっても、これで買い物できないですよね。小切手はどうやって換金するんですか。」
リエ「小切手は、受け取った人(受取人)が自分の取引銀行に預け入れると、その銀行が手形交換所を通じて、振り出した人(振出人)の当座預金から引き落として、受取人の口座に入金してくれます。その間は引き出すことができなくて、預け入れた日を含めて3営業日目に現金での引き出しが可能になります。」
田村「すぐ現金にしたい場合、何か方法はあるんですか。」
リエ「受け取った小切手を見ると、表面に2本の線が引いてあるでしょう。これを線引小切手と言って、この場合、受取人は必ず自分の口座がある取引銀行に呈示して、手形交換所を通して取立依頼しなければ換金できません。だけど、この線引がない場合は、小切手に書かれている支払銀行に持参すれば、すぐに換金できるんです。」
田村「では、この2本線がない場合は、紛失したり盗まれると危険ですね。」
リエ「もし、2本線のない小切手を受け取ったら、その場で2本線を書いた方が安全ですよ。例え紛失しても、換金する3営業日の間に、支払いを停止することができますから。それから、線引小切手でも、裏判と言って裏面に銀行取引印が押してあると、支払銀行に持参すれば、誰でもすぐ支払を受けることができます。」
田村「いろいろあるんですね。他にも気を付けるところありますか。」
リエ「小切手を受け取ったら、まず、金額と振出人と振出日をチェックしてくださいね。特に振出日は、空欄であったり、先付になっている場合もありますから。そのときは、振出人に確認してくださいね。」
田村「振出日が先付になっている小切手を銀行に呈示すると、どうなるのですか。」
リエ「小切手の場合、振出日に関係なく、支払銀行は振出人の当座預金から引き落とすので、その時に残高が不足していると、不渡りになってしまうんですよ。だから、先付の場合、受け取った方が、その日付に合わせて銀行に呈示するように注意します。」
田村「そうですか。今度小切手を受け取ったときは、よく注意します。」
この記事は2004年9月7日に掲載したものです。