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空き家に係る譲渡所得の特別控除の規定

税務 相続
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■制度の概要

 総務省統計局の調査によると、総住宅数に占める空き家の割合は平成25年の調査時点で13.5%となり、今後も増加することが懸念されています。空き家が放置されれば、倒壊や放火のおそれもあり、空き家の増加が社会問題のひとつとなっています。

 こうした空き家に対する税制対策として、被相続人の居住の用に供されていた家屋・土地等を譲渡した場合には、その譲渡所得の金額について3,000万円の特別控除を適用できることとされました。
 この規定は、単純に古いから家屋を改修・改築して譲渡をすればよいというのではなく、①耐震リフォームをしたうえで譲渡するか、②家屋の取り壊しをして更地として譲渡した場合に適用されます。

■対象財産

 本規定の適用を受けるにあたって、対象財産は主に下記の要件を満たす必要があります。
① 相続開始直前において、被相続人の居住の用に供されていた家屋
② 区分所有建物ではないこと
③ 相続開始の直前において被相続人以外に居住をしていた者がいなかったこと
④ 昭和56年5月31日以前に建築されたこと

■小規模宅地等の特例との比較

 相続税の小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の規定と対比した注意点は次のようになります。

 空き家に係る譲渡所得の特例 小規模宅地等
①老人ホーム入居中の死亡 適用不可 適用可能
②2世帯住宅(区分所有) 適用不可 一部適用可能
③同居親族が居宅を相続 適用不可 適用可能
④平成に建築された建物 適用不可 適用可能

①:小規模宅地等の特例については、老人ホームに入居中であっても適用が可能な旨を定めていますが、空き家に係る譲渡所得の特例については、生活の本拠としていた居住用財産を譲渡する必要があるため、本規定の適用はないものと考えられます。

②③:空き家に係る譲渡所得の特例は、空き家対策の税制であるため、被相続人の死亡後に空き家にならないような2世帯住宅(区分所有)や同居親族が居宅を相続する場合には適用がありません。

④:小規模宅地等の特例は、建物の建築年月日を気にする必要はありませんが、空き家に係る譲渡所得の特例については建築年月日が要件に含まれるため注意が必要です。
相続税の納税資金確保のために、相続後に売却を検討される納税者もいらっしゃると思います。規定適用の可否にご注意いただきながら譲渡の対応をしていただければと思います。

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執筆者情報

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沖田豊明

沖田不動産鑑定士・税理士事務所

埼玉県川口市にて平成11年に開所して以来、不動産オーナー様の相続案件に特化してまいりました。土地評価についてお悩みの税理士先生のための税理士事務所として、税務のわかる鑑定士として、同業者の皆様方と協業して、不動産オーナー様の相続問題解決に日々取り組んでおります。

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2017.12.19 10:53:06