「OJTでは人は育たない」
正式には、「従来のOJTでは人が育たない」と言うべきだろう。経営者や人事部長から、「最近の若者は弱い」、「注意したり叱ると、すぐ辞めてしまう」といった若者に対しての批判をよく聞く。
冒頭で述べた「従来のOJTでは人が育たない」の「従来のOJT」とは、「上司を見て覚えろ式」の指導法を指している。従来のOJTが通用しない理由は、大きく3つある。
1.組織の上下関係の流動化
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近年、年功序列型の組織が崩れ、フラット化してきている。年齢が若くても上司になるケースが多くなり、元上司・先輩社員に教えるという気概が薄れている。
2.業務内容の複雑化
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どの会社も業務の難易度が上がっており、答えのない仕事が増え、上司が指導できない状況になっている。
3.世代による指導法のズレ
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上司は自分の体験(過去に自身が受けてきた「見て覚えろ式」指導)でしか指導できず、価値観の違う若者に対して指導できない。また、指導しても受け入れられない。
それでは、どのように指導していけば良いか。タナベ経営では「“チーム”で人を育てる」ことを推奨している。「“個人(上司)”で“個人(部下)”を指導する」のではなく、「“チーム”で“個人(部下)”を指導する」のである。
チームで育てるメリットとして、まず個人(上司)の能力に部下の成長が左右されない点がある。教える人によって部下の成長度が変わっていては、レベル格差ができてしまう。
次に、多くの上司・先輩社員とコミュニケーションが取れ、お互いの信頼関係が構築される点である。そして、自分が指導できない内容もそれぞれの専門性を活かし指導できる点だ。
タナベ経営では、チームで人を育てる「チームOJTプログラム」を商品化し、上司も部下も一緒に育ち、会社の目標に沿った行動を取れるようになる1年間の教育プログラムがある。人材育成はもとより、社員への方針浸透に悩んでいる方は、ぜひお問い合わせいただきたい。