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飲食業従事者は知っておくべき消費税軽減税率

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飲食業は全事業所の11%

社会保障と税の一体改革の下、消費税率10%への引上げに伴い、低所得者に配慮する観点から、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に消費税の「軽減税率制度(8%)」が実施されることになりました。

この軽減税率制度の対象外となるのが、上述の「外食」です。

平成21年の総務省「経済センサス・基礎調査」によると、飲食店は670,468店、従事者は 4,367,987人となっていて、全事業所の約11%、全従業者の約7%を占めます。
つまりは、働く人の100人に7人が、飲食業従事者ということになります。

これだけ日本経済に影響のある飲食業界ですが、平成31年10月から適用される軽減税率制度の対象外となる「外食」について、まだまだ、周知されていない状況かと思いますので、具体的な事例形式で解説します。

セルフサービスの飲食店での飲食は、軽減税率の適用対象?

軽減税率の適用対象とならない「食事の提供」とは、飲食設備がある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。

セルフサービスの飲食店であっても、顧客にその店舗のテーブル、椅子、カウンター等の飲食設備を利用させて、飲食料品を飲食させていますので、軽減税率の適用対象となりません。

屋台のおでん屋での飲食料品の提供は、軽減税率の適用対象?

軽減税率の適用対象とならない「食事の提供」とは、飲食設備がある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいい、「飲食設備」とは、テーブル、椅子、カウンター等飲食料品を飲食させるための設備をいいます。

屋台のおでん屋やラーメン屋で、テーブル、椅子、カウンター等の飲食設備で飲食させている場合は、軽減税率の適用対象となりません。

ここでいう飲食設備は、飲食のための専用の設備である必要はなく、また、飲食料品の提供を行う者と飲食設備を設置又は管理する者(以下「設備設置者」)が異なる場合であっても飲食料品の提供を行う者と設備設置者との間の合意等に基づき、その飲食設備を飲食料品の提供を行う者の顧客に利用させることとしているときは、「飲食設備」に該当します。

そのため、屋台を営む事業者が、
1.自らテーブル、椅子、カウンター等を設置している場合
2.自ら設置はしていないが、例えば、設備設置者から使用許可等を受けている場合は、
軽減税率の適用対象となりません。

一方、
3.テーブル、椅子、カウンター等がない場合
4.テーブル、椅子、カウンター等はあるが、例えば、公園などの公共のベンチ等で特段の使用許可等をとっておらず、顧客が使用することもあるがその他の者も自由に使用している場合は、
軽減税率の適用対象となります。

ということは、同じ屋台でも、テイクアウトとなる縁日でのお好み焼きの販売などは、軽減税率の対象となります。

イートインスペースを設置したコンビニエンスストアの場合の軽減税率は?

イートインスペースを設置しているコンビニエンスストアにおいて、例えば、トレイや返却が必要な食器に入れて飲食料品を提供する場合などは、店内のイートインスペースで飲食させる「食事の提供」であり、軽減税率の適用対象となりません。

ところで、コンビニエンスストアでは、ホットスナックや弁当のように持ち帰ることも店内で飲食することも可能な商品を扱っており、このような商品について、店内で飲食させるか否かにかかわらず、持ち帰りの際に利用している容器等に入れて販売することがあります。

このような場合には、顧客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認を行うなどの方法で、軽減税率の適用対象となるかならないかを判定していただくこととなります。

なお、その際、大半の商品(飲食料品)が持ち帰りであることを前提として営業しているコンビニエンスストアの場合において、全ての顧客に店内飲食か持ち帰りかを質問することを必要とするものではなく、例えば、「イートインコーナーを利用する場合はお申し出ください」等の掲示をして意思確認を行う等、営業の実態に応じた方法で意思確認を行うこととして差し支えありません。

次回以後、更に詳しく見ていきたいと思います。

執筆者情報

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今村仁

マネーコンシェルジュ税理士法人 代表 

会計事務所を経験後ソニー株式会社に勤務。その後2003年今村仁税理士事務所を開業、2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。相続承継M&Aセンター株式会社、代表取締役社長。税理士・宅地建物取引主任者・CFP等

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2017.11.06 11:02:21