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有償新株予約権の新会計処理案に多数の反対意見

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 企業会計基準委員会(ASBJ)は実務対応報告公開草案第52号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」に寄せられたコメントを公表した。実務対応報告公開草案第52号は、権利確定条件付き有償新株予約権の会計処理を定めるための実務対応報告案で、ASBJが5月10日に公表し、7月10日までパブコメを募集していた。
 これによると、実務対応報告公開草案第52号に反対する意見が多数寄せられていたことがわかった。具体的には「勤務条件の有無に関わらず、報酬として認識する内容となっているが、これはIFRSとのGAAP差を広げる」「有償新株予約権の付与制度の導入の目的は投資であり、企業会計基準適用指針第17号「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理」の適用が妥当」「有償新株予約権の付与には報酬としての性格はない」「未上場企業については、ストック・オプションに係る会計基準における未公開企業における取扱い(13項)が適用され、ストック・オプションの公正な評価単価に代えて、ストック・オプションの単位当たりの本源的価値の見積りに基づいて会計処理を行う方法を選択適用することができる旨を、明示的に記載する必要がある」「公正価値での発行であるため、付与対象者の税務について、権利行使時の給与等課税事由が生じないとされており、税務上、給与所得(報酬)ではないという取扱いになっている。」「その付与に伴い従業員等が一定の額の金銭を企業に払い込むという特徴を除けば」とあるが、公正価値分の金銭の払い込みによる投資という有償新株予約権の一番の特徴を除いて類似しているからという理由で、報酬性があると判断するのは強引である。」等の批判が200件超寄せられている。実務対応報告の公開草案に対し、これだけ多数の反対が寄せられるのは珍しい。
 ASBJが反対案にどのように配慮していくのか、今後のASBJの舵取りが注目される。

執筆者情報

日本IPO実務検定協会
財務報告実務検定事務局

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 企業会計基準委員会(ASBJ)は実務対応報告公開草案第52号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」に寄せられたコメントを公表した。実務対応報告公開草案第52号は、権利確定条件付き有償新株予約権の会計処理を定めるための実務対応報告案で、ASBJが5月10日に公表し、7月10日までパブコメを募集していた。  これによると、実務対応報告公開草案第52号に反対する意見が多数寄せられていたことがわかった。具体的には「勤務条件の有無に関わらず、報酬として認識する内容となっているが、これはIFRSとのGAAP差を広げる」「有償新株予約権の付与制度の導入の目的は投資であり、企業会計基準適用指針第17号「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理」の適用が妥当」「有償新株予約権の付与には報酬としての性格はない」「未上場企業については、ストック・オプションに係る会計基準における未公開企業における取扱い(13項)が適用され、ストック・オプションの公正な評価単価に代えて、ストック・オプションの単位当たりの本源的価値の見積りに基づいて会計処理を行う方法を選択適用することができる旨を、明示的に記載する必要がある」「公正価値での発行であるため、付与対象者の税務について、権利行使時の給与等課税事由が生じないとされており、税務上、給与所得(報酬)ではないという取扱いになっている。」「その付与に伴い従業員等が一定の額の金銭を企業に払い込むという特徴を除けば」とあるが、公正価値分の金銭の払い込みによる投資という有償新株予約権の一番の特徴を除いて類似しているからという理由で、報酬性があると判断するのは強引である。」等の批判が200件超寄せられている。実務対応報告の公開草案に対し、これだけ多数の反対が寄せられるのは珍しい。  ASBJが反対案にどのように配慮していくのか、今後のASBJの舵取りが注目される。
2017.09.26 09:31:15