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所長の意志のないところに付加価値は生まれない

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 7月・8月、全国6会場で開催しました会計セミナーが、先日の名古屋会場で終了しました。私は講師としてこのセミナーに関わらせていただきましたが、さすがにどちらの事務所の先生方も、昨今の会計業界を取り巻く環境に危機感を抱いていらっしゃるようです。

 ただ問題は、 その危機感に対して具体的に対応するのか?、ただ心配しているだけなのか?によって、その後の結果が全く違ったものになるということです。

 私も講師として全力お伝えしてきた立場として、参加された皆様には何らかのアクションを起こして欲しいと思っております。 それでは、今日も元気に行ってみましょう!

■所長の意志のないところに付加価値は生まれない

 先日、ある先生から 「最近、セミナーでお目にかかる様々な先生方から 『会計事務所が生き残る道は付加価値化しかない』という言葉が聞かれるようになりました。

 ただ、どの事務所も付加価値化を目指すとなると、結局最後は差がなくなってしまうのではないでしょうか?」 と尋ねられました。

 皆様はこの点に関してどう思われますか?

 この件に関し、私はそうお思いの先生方に以下のような問いかけをしてみたいと思います。

 それは、「ところで、先生の事務所では具体的に、お客様にどんな価値を提供したいと思っているのですか?」 ということです。と申しますのは、恐らく多くの先生方は、 従来の「税務相談・会計処理業務」以外のことを=「付加価値業務」と考えていらっしゃるのだと思うのですが、その「付加価値業務」とは、具体的にどんな価値を提供するのか?までは明確に考えられていないのではないかと思うのです。

 つまり、厳しく言えば、付加価値化という言葉を「わかったような気になって口にしているだけ」だと思うのです。 かく云う私は以前から、付加価値化を実現するための顧問料の体系化・商品化のコンサルティングを行っておりますが、「付加価値化」とは、一言で言うならば、 事務所として「お客様にどんな価値を提供したいのか?という所長の意志そのもの」だと思っておりまして、 「その意思を具体的な商品・サービスに落とし込んだものが顧問料である」と考えております。

 ですから、税理士が100人いれば100通り、1,000人いれば1,000通りの付加価値があると思うのです。

 今これを書きながらふと思い出しましたが、私が駆け出しのコンサルタントだった、今から18~19年前、当時の上司から「コンサルティングなんて所詮嗜好品なんだから、お前の考え方が好きか嫌いかで決まるだよ。だったらお前の考えを世に表明して、問わないことには、買うも買わないもねえだろう!」と言われました。

 付加価値業務で食って行くということは、税理士の独占業務という「法に守られた世界を抜け出して勝負する」ということですので、その時点で「横ならびにはならない」ということを認識しなければいけません。

執筆者情報

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大谷展之

株式会社ooyaビジネスクリエイト

会計事務所専門のコンサルタントとして、全国の会計事務所を対象に活動中。
会員制勉強会「売上1億円を突破する会計事務所のために『会計事務所5%倶楽部』」を主催する。
税理士会各支部、大手会計システム会社、出版社、生命保険会社等での講演実績多数。
著書:会計事務所 売上1億円突破へのロードマップ(執筆)、税理士のためのマーケティングマニュアル(執筆)、税理士のためのWEBマーケティングマニュアル(監修)、ともに第一法規。

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 7月・8月、全国6会場で開催しました会計セミナーが、先日の名古屋会場で終了しました。私は講師としてこのセミナーに関わらせていただきましたが、さすがにどちらの事務所の先生方も、昨今の会計業界を取り巻く環境に危機感を抱いていらっしゃるようです。 ただ問題は、 その危機感に対して具体的に対応するのか?、ただ心配しているだけなのか?によって、その後の結果が全く違ったものになるということです。  私も講師として全力お伝えしてきた立場として、参加された皆様には何らかのアクションを起こして欲しいと思っております。 それでは、今日も元気に行ってみましょう!
2017.08.28 11:15:05