87)経常利益を確認する意味
今回のテーマは『売上高経常利益率』です。そもそも経常利益とは何でしょうか?『金融費用等、営業活動には直接関係しない収益や費用を営業利益に加・減算した結果の利益』という様な表現で説明できるかと思います。一般的なものとして、預金利息や借入の金利、手形の割引料等が挙げられます。
一般的には「営業利益から借入金の金利を払ったら利益がなくなってしまう…。という事態になっていないか?」等を確認するといった説明になりますが、そのような事態にあることが分かることに意味があるでしょうか?
営業利益が借入の金利で吹き飛んでしまうのは「借入過多なのか」「利益が少なすぎる」からです。それこそビジネスモデルそのものに重大な欠陥を抱えていることになり、その話題は前回までの『売上高営業利益率』で終わっている話です。
但し、次のように整理するなら経常利益に意味が出てきます。
「節税目的で加入している保険料」「節税のために上乗せした役員報酬」「福利厚生という名目の施設利用料」「儲けにつながらない交際費」等々、これらは通常「販売費及び一般管理費」として計上されますが、先の定義から言えば「営業外費用」ですから、そちらに移動させます。すると、営業利益の額が純粋なビジネスモデルの貢献度になります。
手間をかけて精緻に経費を整理する必要はないかと思いますが、概算でも直接営業活動に関係しない経費を「販管費」から「営業外費用」に移してみると『本当の営業利益=ビジネスモデルの社会貢献度』を確認することができます。自社のビジネスモデルの力を確認するために一度試してみてはいかがでしょうか?