86)自社のビジネスモデルが社会に貢献しているか?を確認する指標③
『売上高営業利益率』が「何故自社のビジネスモデルの社会貢献度を図る指標なのか?について」と、「営業利益を正しく捉える為には「減価償却費」に注意しなければいけないこと」を皆さんと確認してきました。今回は「『売上高営業利益率』を高めていく為に必要なこと」について考えてみたいと思います。
当り前ですが、同じ固定費で売上を上げるか、売上が同じでも固定費を下げれば率は良くなります。そこで『固定費』について深掘りする必要が出てくるのですが、前提として固定費は大きく2つに分類できます。「戦略経費」と「維持経費」です。
「戦略経費」は売上を上げる為に投下している経費で、例えば広告宣伝費、販売促進費のような経費がこれに当ります。営業利益を出すために、これらの経費を引き下げてしまえば、未来の売上が減少するのですから、一概に引き下げればよいという話にはなりません。と言いつつも、売上に直結しない形骸化した販促費等、引き下げられるものが無いとも言えません。
一方の「維持経費」は会社を維持するために必要な経費で、これはできるだけ引き下げておきたいところです。固定資産税の引き下げ交渉を行うといった事例もありますし、業種にもよりますが水道光熱費、家賃の引き下げ等も同様です。「保険料」の見直しも有効な場合があります。
この分類では企業経営者の価値観が問われます。例えば「交際費」は会社にとって戦略経費ですか?維持経費ですか?「教育研修費」はどうでしょう?「人件費」を社長はどちらに分類しますか?等々
最後に、固定費は時系列の推移表で捉えることをお薦めします。毎年増加していっている経費、減少していっている経費、それらがどの程度売上に貢献しているのか?固定費の変化はいわばビジネスモデルの変化でもあります。推移で捉えることが、次なる一手を教えてくれることもあります。
以上で「自社のビジネスモデルの社会貢献度としての『売上高営業利益率』について」の説明を終わります。次回からは『売上高経常利益率』について考えて参ります。お楽しみに!