企業に見られる幹部の傾向
中堅、中小企業の経営者と「最近の幹部の傾向」について話をすると、以下のようにまとめられる。
【汗部】プレイヤーとしての仕事比率が高い
プレイヤー:マネジャー=8:2または9:1と、プレイヤーとしての比率が非常に高く、幹部もそれを自覚している。
【観部】自分の意見をはっきりと言わない
とくに30代の幹部からの発言が少なく、「言った内容が間違っているのではないか。これを言って間違ってしまうと恥ずかしい」などと考え、萎縮して発言が出来なくなっている。
【陥部】部下指導育成ができない
A社では最近、営業社員が立て続けに2名退職。しかも同じ上司を持った2名だった。一人は営業に向いていないと自ら退職。もう一人は6年働いたが、仕事量の増加や職場環境の変化に対応できずに逃げ出した。
その2名の部下を持つ幹部の特性として共感性・成就性が低く、人間関係特性も受身的であるため、部下とのコミュニケーションを取ることが少なかった。
【甘部】自己に甘く、他人に厳しく、さらに原因他人論が強い
人や環境、お客様のせいにして、自らは悪くないと思っている。すなわち状況判断で目先の現象面だけ捉え、本質を捉えるまでに至っていない。
【奸部】感謝・謙虚・素直の気持ちが見られない
幹部になり「○○ができて当たり前」という意識が高くなり、謙虚さ、素直さが見られない。とくに部下指導に対しては、自分が基準となって指導するため「○○ができて当たり前」という意識になってしまい、「できなくて当たり前」という気持ちを持てない。
これらの傾向から「真の幹部」に向けての改善のポイントを3点挙げる。
1.自ら信念を持つ
2.自らの役割を再認識する
3.日々の行動を変える
「大きく変わって欲しい」「大きく変えたい」と思うところではあるが、あえて目標を3つのステップに分ける方が良い。徐々にステップアップし、成果の実感を噛みしめていくことで、部下への指導にもつながるのだ。