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自立・協働型人材に育てるステージアッププログラム

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 筆者は、人材育成の土台となる「承認力」を育て、「成果を出す仕組み」を組織にインストールする組織変革コンサルティングや企業研修を行っている。

 激変する経済環境下、コモディティ化が進み、企業の消耗戦が続いている。販売価格は上げられず、コスト・人員削減も限界。そこで想像してみていただきたい。

 あなたが野球の外野手だったとする。これまでライト・センター・レフトの3人で守備していたところを、突然監督に「今日からセンターなし。2人で守備しろ!」と指示された状態。さらには「外野を1人で守り切れ」と言われる場合も。

 守備の範囲が3倍となると、飛んでくる球の数も3倍。つまり担当者の負荷は9倍。多かれ少なかれ、企業における現場ではこのような状況ではないだろうか。

 この状況を脱却するためにもイノベーションを起こし、戦い方を変えなければならない。しかし、多くの企業で安全・消極思考、組織に依存する人が増えているという。明るい将来を手に入れたければ、社員を依存型から自立型・協働型にステージアップさせる必要がある。

 新しいルールで戦うために従来の商習慣や仕事の進め方にとらわれず、未来を見据えて柔軟に発想・挑戦できる人、実践できる人、つまり企業の成長に欠かせない重要な人物を育てなければならない。どのようにしたらよいのだろうか?

 これまでの人材育成手法は、左脳を駆使した分析的なアプローチか、気合と根性といった精神論がほとんど。分かっているけどなかなかできない。

 理想どおりに成果が出るケースは稀であった。最近では、コーチングやNLPなどの右脳的なアプローチもあり、対個人にはとても有益な手法だ。しかし組織に適応する方法となるとなかなか難しい。

 「これらを有機的に活用できないものか」

 「左脳(論理)と右脳(直感)を科学的につなぐ方法は?」

 「組織で応用できる方法は?」

 試行錯誤を繰り返し、1つの答えとして「ステージアッププログラム」を完成させた。現在、複数の企業で導入している。

 このプログラムの重点は、目に見えない部分、土台の育成である。樹木で言えば土壌改良や根、建物で言えば地盤改良や基礎の部分である。人間力を高めるための土台を耕し、磐石にする。これが、自らステージアップしていく人材、自立・協働型人材を育てる第一歩である。

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株式会社 タナベ経営

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 筆者は、人材育成の土台となる「承認力」を育て、「成果を出す仕組み」を組織にインストールする組織変革コンサルティングや企業研修を行っている。 激変する経済環境下、コモディティ化が進み、企業の消耗戦が続いている。販売価格は上げられず、コスト・人員削減も限界。そこで想像してみていただきたい。 あなたが野球の外野手だったとする。これまでライト・センター・レフトの3人で守備していたところを、突然監督に「今日からセンターなし。2人で守備しろ!」と指示された状態。さらには「外野を1人で守り切れ」と言われる場合も。 守備の範囲が3倍となると、飛んでくる球の数も3倍。つまり担当者の負荷は9倍。多かれ少なかれ、企業における現場ではこのような状況ではないだろうか。 この状況を脱却するためにもイノベーションを起こし、戦い方を変えなければならない。しかし、多くの企業で安全・消極思考、組織に依存する人が増えているという。明るい将来を手に入れたければ、社員を依存型から自立型・協働型にステージアップさせる必要がある。 新しいルールで戦うために従来の商習慣や仕事の進め方にとらわれず、未来を見据えて柔軟に発想・挑戦できる人、実践できる人、つまり企業の成長に欠かせない重要な人物を育てなければならない。どのようにしたらよいのだろうか? これまでの人材育成手法は、左脳を駆使した分析的なアプローチか、気合と根性といった精神論がほとんど。分かっているけどなかなかできない。 理想どおりに成果が出るケースは稀であった。最近では、コーチングやNLPなどの右脳的なアプローチもあり、対個人にはとても有益な手法だ。しかし組織に適応する方法となるとなかなか難しい。 「これらを有機的に活用できないものか」 「左脳(論理)と右脳(直感)を科学的につなぐ方法は?」 「組織で応用できる方法は?」 試行錯誤を繰り返し、1つの答えとして「ステージアッププログラム」を完成させた。現在、複数の企業で導入している。 このプログラムの重点は、目に見えない部分、土台の育成である。樹木で言えば土壌改良や根、建物で言えば地盤改良や基礎の部分である。人間力を高めるための土台を耕し、磐石にする。これが、自らステージアップしていく人材、自立・協働型人材を育てる第一歩である。
2017.06.09 11:16:25