82)限界利益には自社のブランド力が現れる(付加価値率)
今回は、「自社が社会からどの程度評価されているか?」を表す『付加価値率』について、考えてまいります。付加価値率について考えるためには、まず自社の経費を“個変分解”することから始めなければいけません。
個変分解とは、経費を固定費と変動費に分解することですが、こう言うと決算書を引っ張り出してきて、これは固定費、これは変動費と整理することをイメージしてしまうかもしれませんが、経営者の皆さんはそんな無駄なことをしてはいけません。
決算書など広げずに、こう考えて下さい「売上を上げる為に絶対に必要になる経費は何か?」です。業種・業態に依って様々ですが、仕入れ、原材料、機械設備、機械を動かす電気代、燃料費、外注費…。それをリスト化したら、次に「売上が“0”ならその経費は本当にかからないか?」という視点で検証して下さい。売上“0”でも必要な経費は変動費から外します。
最後に、変動費のリストの横に100万円なら100万円といった一定の売上を想定し、その売上を上げる為に必要となる変動経費を記載してみて下さい。その合計が、御社の変動費合計となり、想定した売上高から変動費合計を引いたものが『付加価値=限界利益』となります。
言葉で書くと煩わしい説明になりますが、経営者の皆様の頭にはすでに入っている数字のはずですから、実践すればものの5分で終わると思います。その付加価値が御社のブランド力を表すことになるのですが、その理由と改善のための具体的取組については、次回詳しくお伝えしたいと思います。