今、中小企業が求めているのは「経営コーチ」の存在 >>コラム一覧へ
経営コーチコラム

  孤独な経営者にとって「経営コーチ」は心強い味方!!





 今年の夏はロンドンオリンピックの日本選手の活躍に感動の日々を過ごされたことでしょう。選手の活躍の陰にはコーチの存在が欠くことができません。

 どんなに才能に恵まれた選手でも、優れたコーチの指導なしでは試合に勝つことはできないでしょう。相撲から生まれ、スポーツ界で広く使われる言葉に「心・技・体」があります。「心」は気持ちが充実し、勝とうという意欲にあふれていることです。今風にいえばモチベーションのことです。「技」は文字通り日々の練習で培った技です。「体」はパワーやスタミナを持つ肉体です。この「心・技・体」がそろわなければ、試合に勝ち抜き、トップレベルの選手になることはできません。そのための指導をするのがコーチの役割です。

 「心」では選手の気持ちをくみ取り、意欲を高める。「技」では自身の経験から戦う技術を教え、フォームのチェックなどを行う。「体」では基礎体力をつけるトレーニングを行い、ときには休ませ、試合で体がピークの状態になるように指導する。好成績を残す選手には、必ずといっていいほど優れたコーチがいるのは、今回のロンドンオリンピックの結果をみれば一目瞭然です。

 「経営コーチ」の存在は経営者にとって同様な役割を果たせる優れた会計人です。財務状態をチェックし、会社の現在の経営状況、体力を把握する。そして、何が会社にとっての経営課題かを明確にし、その対策について提案をすることができる会計人が「経営コーチ」なのです。多くの経営者との付き合いや会社の浮沈を数多く見てきた経験から、マネジメントの技術をもってアドバイスを行うことが出来る。そして何より大切な孤独な経営者の身近な相談役として親身になって心を支えるのです。

 なぜ今、こうした経営コーチが必要とされる時代になったのでしょうか?

 昔は多くの会社に「番頭さん」と呼ばれるような存在の人がいました。社長と長年、苦楽を共にし、会社の風土や財務状態、商売の仕方など知り抜いている人です。社長が決断に悩んだときには相談相手となり、サポートする役割を担ったのです。ところが、最近では人事も合理性優先となり、こうしたポジションの人材が少なくなりました。また仮に番頭さんがいたとしても、社会の変化が激しいため、的確な助言が出来なくなっています。会社が危機的状況に陥ったときなど、社長と一緒にうろたえてしまうケースもあります。

こうして、今の経営者には頼りになる参謀役的存在がいなくなりました。その役目を代行するのが経営コーチの存在です。

 次回は経営コーチの具体的な仕事の内容についてご紹介をさせていまただきます。