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経営コーチコラム

  黒字を続ける会社とは


日本経営コーチ協会監事 税理士・経営コーチ
浅沼 孝男



税理士という仕事柄お客様に下記の質問をされる

1.どんな業界が今良いのか?
2.黒字の会社の共通点は?

1については、この業種が良い、この業種が悪いとは一概に言えない。
現に、好況期であっても潰れる会社はあるし、衰退期であっても増収、増益を続けている会社もある。もっと言えば、衰退期であっても企業の8、9割が赤字というわけではない。
昭和の時代は業種全体で良い悪いを考えられることもあったが、今は業種でその全体が良い会社、悪い会社とは言えない時代になっている。

2について、中小企業であれば、強みを生かしている会社若しくは社長がいることが共通点ではないか?
中小企業の強みとは何か?中小企業の強みは2つある。

1. 「筒」の経営であること。
対極の大企業では「面」の経営である。(資本力を背景に面のように全国展開を行なっている)中小企業では、面の経営を行なう為の人・物・金がついていかない。「筒」の経営とは、大企業や競合他社が入ってこれない狭い分野で、筒のように深く掘り下げていき、上手くいったらまた隣に違う筒を作り、丁寧に筒を増やしていく会社が黒字を続けていく。
「筒」とは狭い分野で、人には負けない分野を作り、その中で確立していく。
ある社長が言った言葉で「中小企業では技術や開発は難しいが、100の工夫が1つの技術を超える」と言っていたことがありました。日々の工夫を100個集めれば凄い技術に匹敵するのだということ。

2. 即断実行力と振り返り癖の経営をすること。
社長が仕事と現場を誰よりも知っているからこそ即断力実行力があるのであって、思いつきや早すぎる決断ということではない。いつまでやってみて効果が出なければ方向転換という振り返り癖を持っているかが大事。

「経営の神様」と称される松下幸之助でさえ、初回の経営判断の的中率は3割と言われている。振り返り癖を持ち続けた事が凡人との違い。初回の判断が合っている、外れているではなく、まずやってみて、常に振り返りながら丁寧にやり続けた。

「やる」、「やめる」を即断実行し、それを常に振り返りながら方向転換をまた即断実行出来る会社の社長が黒字を続ける秘訣である。
逆に問題を先延ばしにする社長は、考えを改める必要がある。


浅沼 孝男 (あさぬま たかお)

浅沼経営センターグループ社長。浅沼みらい税理士法人代表社員。

立教大学経済学部卒業。社団法人日本経営コーチ協会監事。(株)浅沼経営センターは、「決算診断提案書」で地域ナンバーワンである。決算書の数字を分析すると決算(経営)診断となり、今の課題と未来の方向性がわかる。

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