経営助言アプローチ

吉永茂の“経営助言アプローチ”
(2017.3.31)

【建設】「経審」の見直し論議始まる

 建設産業政策会議の下におかれた「企業評価ワーキンググループ」の第1回会議が先月の27日に開催され、「経審」の見直し論議がスタートした。
 これまでに各所から寄せられた意見の例は以下の通りである。

企業評価のあり方1.大企業と中小企業、専業企業と兼業企業を一律指標で評価するのは適切か。
2.下請企業、専門工事業者にも光をあて、評価される仕組みが必要。
3.民間発注者や元請が経審の結果を活用していることへの配慮も必要。
4.企業評価情報の公開は有用。虚偽申請の防止にもなる。
5.経審は、将来の建設業にとって望ましいプレイヤーを選ぶ仕組みにもなる。
現行の経営事項審査のメンテナンス1.完成工事高のウエイトが高いため、大企業優遇となっていないか。
2.経営状況分析について、指標の変化を捉えることも有益ではないか。
3.技術力の評価割合を高めるべき。
4.担い手育成等の観点から、若手技術者の評価方法を拡充すべき。
5.固定資産(重機等)を保有することで「Y」が下がるのはいかがか。
6.建退共の加入に加え、活用状況も評価すべき。
追加すべき評価項目1.生産性向上に取り組む企業を評価すべき。その際、中小企業に配慮すべき。
2.週休2日を確保している企業を評価すべき。
3.様々な建設機械の保有や除雪等で地域貢献している企業を評価すべき。
4.企業継続(環境・社会・ガバナンス)の評価のウエイトを高めるべき。
建設企業の経営1.企業規模評価があるため財務のスリム化が行いづらい点は見直すべき。
2.経営力は重要
3.経営者の高齢化が進む中、事業承継の円滑化の後押しが必要。
4.合併等の制度をより活用しやすい手立てが必要ではないか。
5.新分野進出に要する先行投資が評価されるようにすべきではないか。
事務処理1.企業の負担軽減のため、申請書類を簡素化すべき。

 現行の経審は、経営規模(X)、経営状況(Y)、技術力(Z)、社会性等(W)の4区分で審査を行っているが、1〜2年かけて新たな制度への移行が行われる予定である。