経営助言アプローチ

吉永茂の“経営助言アプローチ”
(20016.08.25)

【一般】金融庁のローカルベンチマークについて考える

(1)金融庁の、地方銀行の地域への貢献度を測るベンチマークの導入がいよいよ始まります。ローカルベンチマークの導入は、地域金融機関が地域の中小企業の成長度にいかに貢献しているかを定量評価し、金融庁と金融機関の対話を深めることを目的としています。
(2)同じく、地域の中小企業等の成長等に貢献していくべき立場にある私達税理士としては、ローカルベンチマークの内容に一度はじっくり目を通しておく必要がありそうです。
(3)ローカルベンチマークは、全ての地域金融機関に提出を求める3つの項目(イ.経営改善が見られた先数・融資額の推移、ロ.抜本的事業再生等の取組件数・融資額の推移、ハ.無担保融資先数・融資額の割合)と金融機関が裁量で選択できる50個の指標から成っています。
(4)後者の50項目の中から、私達税理士に大なり小なり関連すると思われる項目を以下紹介します。
  •  経営人材支援
    • 1 中小企業に対する経営人材・経営サポート人材・専門人材の紹介数(人数ベース)
    • 2 上記1の人材支援先における経営改善先の割合
  •  人材育成
    • 1 取引先の本業支援に関連する研修等の実施数、研修等への参加者数、資格取得者数
  •  外部専門家の活用
    • 1 外部専門家を活用して本業支援を行った取引先数
    • 2 取引先の本業支援に関連する外部人材の登用数、及び、出向者受入数(経営陣も含めた役職毎の整理)
(5)金融機関の紹介を受けて企業の経営改善に関与したり、金融機関主催のセミナーの講師として呼ばれたり、又、金融機関の方と一緒になって経営改善等に取り組むケースが増えてくることが想定されます。
 地域の中小企業の活性化等へのサポートで大いに期待されている税理士としては、この際改めて「管理会計」、「生産管理」、「販売管理」、「助成金等の活用策」等についての知識を整理し、助言能力をブラッシュ・アップしておくことが急務ではないでしょうか。