【2015年11月 税務・会計・法律情報】
“発生主義”会計(11):会計レベルの診断
(1)〜(18)

 2015年春、日系法人2社に会計不正で大損失が見つかりました。簡単に診断できる中国法人用の「会計レベル」診断表を作成しました。是非、ご利用ください!

 中国において会計不正は「氷山の一角」ですので、日系だけでなく外資系法人からも、東証上場の法人から、多数の法人から、今後も会計不正が見つかると予想しています。

 ・会計レベルを4段階 ;実質5段階に区分して、直ぐに判断できます
 ・各レベルで全て「Yes」ならば、次の会計レベルへ進んでください
 ・ 上級』や『優秀』レベルは、会計担当者における「理解困難性」と「業務の面倒性」(会計担当者が嫌う業務)で決めました

 中国法人で下記「(1)〜(18)」業務を導入したりすると、大変に危険な状況が予想できますので、安全・安心に身を置いて開始してください。 ;“危険”への責任は、個人判断!!

≪基礎≫ ×4 &4 ;会計としては、「基礎の基礎」からになります。
(1) 現金支払”の制限規則を厳守していますか?
=国務院が法規で、「1,000RMB」以上の現金支払を制限しています。会計教育の最初に教わる規定で、脱税防止のため厳しくなっています。  初歩レベル

(2) 個人所得税の還付金(2%)を“営業外収益” で計上していますか?
 =税務局は、“給与計算”や個人所得税の“預り金管理と納付”等の業務で、法人に個人所得税の納付金で「2%」を返金してくれます。  初歩レベル
会計担当者の「個人所得」にしないようにするのが重要で、『通常、個人所得税の納付は、銀行からの自動引落になります。もし、会計担当者が毎月、税務局へ直接納付していたら、自分のポケットに入れているかも??』

(3) 発票「個人」でも、経費に計上していますか?
=会計では経費になり、税務では「損金算入」になります。『会計と税務の分離』を知っていれば、個人でも、法人名称の相違でも、計上できます。  初歩レベル

(4) 会計基準を採用していますか?
−会計基準にしたら、かなりの節税効果が出て来ますので、CPAと会計担当者が税務局の方を向いているか、会社の味方か、直ぐに判明します。
→旧−会計基準の法人が、「新−会計基準」へ変更しようとすると、抵抗勢力のCPAと会計担当者が頑強に反対して来ました。 (参照:2015/4月号初歩レベル

上記の「(1)〜(4)」は、最も基礎的な内容ですが、その後に発生主義会計やIFRS会計等へ移行する場合に、必要として重要になります。

(5) 摘要欄に「5W1H」を記載して、内訳を明確にしていますか?
不正会計を防止する第一歩になります。会計の内訳が明確になって、誰にでも『』を判断できますので、最も嫌われた業務でした。
逆に、会計の不正を隠蔽したいなら、「5W1H」を記載しません

(6) 海外の出張「ホテル代・交通費 等」を中国法人で計上していますか?
=もし禁止にしたら、多数の中国系法人は海外での活動や業務・出張 等が出来なくなりますので、絶対に有りえません!
→CPAと会計担当者が楽をしたくて、面倒を嫌って禁止していました。

(7) 会議費を経費計上できていますか? 「会議費は禁止!
=接待交際費や研修図書費・教育費・福利厚生費と別に計上してください。交際費だと最低でも40%が損金不算入です。 何故か、いつも禁止されるのは「会議費」?
◆参加した【会社名、名前&人数、議題・業務等】を摘要に記載します
更に、給与と賞与と社保(法定福利費)を別々の勘定科目で計上して、法定福利費(社保)と福利厚生費(社員への経費)も明確に分離します。

(8) 日当手当現金支給で、正しく会計処理していますか? 『給与加算に注意』
I. 出張日当;社内に「出張」規定 等が整備されていれば、現金支給でも「旅費」
II. 出張日当;社内に「出張」規定が無ければ、現金支給だと「給与加算」で課税
III. 通勤&食事手当;発票アリでの清算や現物支給ならば、「旅費」「福利厚生費」
IV. 通勤&食事手当;発票ナシ現金支給だと「給与加算」で課税
V. 誕生日&婦人節&児童節手当 等;発票アリ現物支給ならば、「福利厚生費」
VI. 誕生日&婦人節&児童節手当 等;発票ナシ現金支給だと「給与加算」で課税
=「II・IV・VI」は、個人所得税の『脱税』と判断されるかもしれません。
*CPAの能力やレベルによっては、逆の判断も出ていました



≪中級≫ ×4 ;中国会計の「規定」と「ルール」です。 損害金額も大きくなります。
(9) 資産毎月の減価償却費を正しく計上していますか? 「減価償却費は禁止
=単価「@5,000RMB」未満ならば・・・・・経費計上(2014年〜)
=IT機器ならば・・・・・償却期間を「3年間」に短縮(2008年〜)
=残存価値・・・・・「0:ゼロ」(2008年〜) ;以上で節税策になります
→「減価償却ナシ」は、利益の大増加になる悪質な不正会計で、製造業ならば必ず、黒字にできます。(参照:2015/9月号

(10) 給与は遅くとも、“月末に当月分”を計上していますか?
=税務通知でも規定され、正確な損益のためでもあります。製造業では、正確なコスト算定のために重要ですから、当月分の給与は必ず、当月に計上してください。

(11) 不良」や「固定資産の損失」を計上していますか?  「不良品処分は禁止」
=不良品の専用倉庫などは、用意しないでください。中国会計でも損失として計上できますので、不良品を資産のままにしないで処理してください。
→「売上高・在庫回転率」を把握してれば、不良品やデッド・ストック等が見つかります

(12) 会計Soft」と監査報告書の決算数字が一致していますか?
=中国系の会計Softでは、決算”ダケの修正が出来ますので、『伝票・仕訳の合計』と監査報告書の決算数字を確認する必要があります。
→「ガード解除→再・入力→再・ガード」の手順で、期末の決算修正が出来るようマニュアルには記載されています。しかし、CPAや会計担当者は知識不足だったり、面倒だったりで、実行せずに、簡単に決算書ダケを修正しています。
確認が必要な月は、『期末:12月』と「1月〜3月」の『監査月』で決算修正の伝票を入力した月になります。

 中国会計人は、“節税”の意味や内容・手順等を全く知らずに、業務に無関係と思っていますので、興味すら持っていない。故に、本社が管理する必要があります。



≪上級≫ ×3 ;発生主義に基づいた会計になります。
(13) 在庫金額【原材料・製品・商品等】と会計金額が一致していますか?
発票ナシでの「入/出荷管理」を発生主義で会計処理したら、在庫/会計の金額は一致します。法人には最重点ですが、会計担当者には、最難関??
→「発票ナシ」仕入と売上の計上方法を知らない、出来ない会計者が多数でした

(14) 与信管理していますか?
=会計思想が国営企業用で与信管理を不必要として、意味も持っていません。「売掛金」を個別法人別に管理すれば良いだけです。(参照:2013/8月号
 ;与信管理の不実行のためか、日本本社までも破綻していました?

(15) B/Sの内訳を正確に把握していますか?
=内訳が不明な「仮払金/未収入金」や「長期前払費用」等には、補助No.を設定して、残高や発生金額を明確にして個別管理します。
→上級レベルの不正は、B/Sで行いますので『内訳の明確化』を嫌います。



≪優秀;国際≫ ×3 ;中国法人の中では最高レベルで信頼もできますし、本社との連結決算も簡単になります。中国の会計基準を順守して、“国際”レベルに達しています。
(16) 毎月、賞与引当金を計上していますか?
=製造業では、製品コストの設定に必要な計上です。そして、正しい損益分岐点(POE)が算出できます。(参照:2014/11月号

(17) 海外販売時の増値税を「予定−還付金」と「還付金」で毎月、計上していますか?
=毎月、計上すると「販売原価率」と「利益率」が正確に算出できるため、経営管理に大きく役立っています。(参照:2015/6月号

(18) 決算修正』を行っていますか?
=最も理解が難しくて、中国会計のプロ誤認者も「決算修正」を知らなかった。もちろん、出来ませんでした。正確にコストを算出するための会計になります
*毎月が実際原価ですので、「決算修正」で製造コストを正しく算出します
販売業でも、「期末;12月」にだけでも実施してください。年間では、正確な費用計上や損益の算出になります
→決算修正まで実行して、初めて“発生”主義の会計になります。 特に、期末時の「(16):賞与引当金」と「(18):決算修正」によって、損益が大きく変動します


 会計担当者の責任は、税務と在庫管理のため、「優秀」レベルの業務に関しては専門外になり、意味も判らずに、想像もできない、無駄な、「会計処理&業務」と判断します。
 故に、上記を理解/納得させる努力や苦労は、信じられない程に困難でした


≪結論≫
正確な発生”主義会計とは、「(3)(6)(7)(9)(10)(11)(13)(14)(16)(17)(18)」業務の実施になります。
中国会計は特殊特別」との言訳を信じないでください。“日本会計との相違等はホトンドないので、必要とされる業務や確認事項は同じ”になります。
 中国会計における法規やルールは、日本会計以上に、国際基準に従っています。実際的には、「面倒」だから、「理解不可能」だから、多数の法人で最も低級な会計レベルで処理していました。会計担当者やCPAのためでした。
「(1)〜(18)」業務の導入によって、
毎期、大黒字の中国法人でも会計不正が見つかるかもしれません。決算書を信用して 「M&A」したら、大変な危険を背負った“ババ引き”かもしれません
M&Aの前に、上記の業務をチェックしていたら、「約450億JP¥」とか、「約660億JP¥」のような大損害を防げたでしょう
本社-投資家側の意思や意向によって、導入の可否が決まっています。株主から訴えられないためにも、会計の正常化・明確化を進めてください

日本人の総経理(社長)だから、騙した「反日」的な差別感情ではありません。国籍・年齢・性別・出身地 に関係なく、中国人でも、上海人でも、『中国会計の知識に無知な』総経理と判明したので、会計人が騙しただけです
上記の内容「(1)〜(18)」は、2015年現在の会計・税務になります。エリア別の通達等もありますから、税務局で必ず、確認してください

『中国法人の決算書を【事実】だと判断した方:投資家や経営者が悪い!』


OVTAアドバイザー  (F;記)