顧問税理士次第で融資が違ってくるワケ


第4回 税理士は会社の数字を毎月把握している

 多くの経営者は銀行から借りるときはできる限りの努力はしますが、いったん銀行が融資を実行すると、あとは知らん顔を決め込む人が多いようです。

 年に1回の決算書提出は求めることはできますが、あとは自主性に任せてしまうのが現状で、いま現在、その会社の業績が伸びているのか、落ち込んでいるのか、本当のところを銀行は把握できないのです。

 そのような経営者には、銀行マンも定期訪問の数を多くするなど対策をしていますが、それでも不十分な感は否めません。

 そこで、銀行マンが頼りにしているのが、税理士なのです。

 毎月、顧問先の会社の数字を1円も間違えずにはじき出していますから、いってみれば顧問先の社長よりも、会社の数字に詳しいわけです。

 また、優秀な税理士は、たとえその顧問先と会計業務までの契約となっていても、気づいたことは経営者に知らせ、簡単なアドバイスを行なっていることが多いものです。

 こうしたアドバイスは、本来融資をとりつけた銀行マンが行うべきなのかもしれませんが、銀行マンも一人で多くの案件を抱えていますので、税理士が行うよう一社一社に丁寧にアドバイスを行う時間はありません。

 言い換えれば、自分たちの代わりに毎月の数字を把握し、それをもとに社長に適切なアドバイスをしてくれるのですから、銀行マンにとっては、これ以上ありがたい存在はないのかもしれません。

 「銀行から紹介された税理士は、我が社の経営状態を密告するのではないか」と、疑心暗鬼になる経営者もいますが、税理士には守秘義務がありますので、勝手に情報を漏らすということはありえません。安心してください。