いい税理士の7つのポイント


第2回 説明がわかりやすいか

 税理士が顧問先に数字の説明をするとき、つい一般の人が知らない専門用語が出てしまうことがあります。専門用語を経営者にわかるように、噛み砕いて説明してくれたり、ほかの用語に置き換える努力をしてくれるのがいい税理士です。

 経営者に「会計」と「税務」の重要性をわかりやすい言葉で説明し、会社の業績に対して、間接的にでも貢献していくところに、税理士の社会的意義があると思います。

 たとえば、過去の決算書を持っていき、過去の経営状況をすべて説明し、アドバイスを求め、その答え方で判断してもよいでしょう。

 ほかにも「資産表の見方がわからないが、どこから見たらよいか」「決算前に抑えておくポイントは?」など実際に困っていることを質問してみましょう。

 その際、よくないのは評論家然とした答え方をする税理士です。

 たとえば、ある会社の経費が人件費によって圧迫しているとしましょう。それに対して「あなたの会社は人件費が高いようですね。圧縮しましょう」という評論家的アドバイスでは何の解決にもなりません。

 そんなことは経営者なら百も承知。方法がわからないから、そのままになってしまっているのです。いい税理士なら「同業他社に比べて少し人件費が高いようですが、今後どのように対応されますか?」のように断定ではなく、聞き返してくるはずです。

 答えを社長から引きだし、出てきた問題点を社長に変わって整理してくれる。それがいい税理士の条件です。

 ただし、実際に問題を解決するのは経営者本人です。具体的な解決方法を提示できないからといって、その税理士を無能と決めつけるのはやめましょう。