会計事務所経営に役立つ情報
(2017年3月)

生前対策の積極的受注が相続ビジネス成功のカギ

 平成27年1月1日の相続税改正で、相続税を支払わなければいけない層が拡大した。それによって、生前対策の必要性が高まった。これは会計事務所にとってもビジネスチャンス。いかにして生前対策を受注するかが重要になってきたのだ。

相続税申告割合が8%になり生前対策のニーズが高まる

 国税庁が発表した「平成27年分の相続税の申告状況について」を見ると、平成27年の被相続人数(死亡者数)129万444人のうち、相続税の申告書の提出に係る被相続人数10万3,043人が占める割合は8.0%を占めた。相続税の申告が必要だった被相続人の割合は、ここ10年前後4%台で推移し、平成26年分は4.4%だったが、平成27年1月1日の相続税の改正で、平成27年は倍近く上昇した。原因は、相続税基礎控除の引き下げである。これまで相続税がかからなかった人でも、相続税がかかるようになったことを示している。

 なお、被相続人を「都市部」に住む人に限定すると、相続税が課税される人の割合は、10〜20%前後まで高まることが予想される。もはや相続税は「富裕層だけの税金」とは言えなくなってきた。これまで相続税を支払う必要がなかった層が「うちは相続税を払わなければいけないのだろうか?」と不安になり、昨今の「相続ブーム」が起きている。それゆえ、生前対策のニーズが高まっているのだ。

税理士が相続ビジネスの窓口になると全体像を説明できる

 税理士にとっての相続ビジネスは、相続税申告だけではない。生前対策を受注することで、申告案件への道筋ができるのだ。

 ひとくちに生前対策といっても、いろいろな方法がある。
・遺言
・贈与
・生命保険
・任意後見
・民事信託

 上記の中には税理士の専門分野であるものも、そうでないものもある。しかし、税理士にとって専門外分野であっても、相続の生前対策の窓口になることはできる。専門外分野に関しては、他の専門家に業務をパスすればいいのだ。

 相続ビジネスで税理士が窓口になることで、相続の全体像をベースにして顧客に伝えることができる。これから税理士にとっても、生前対策への注力が、相続ビジネス成功のカギを握るだろう。


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