会計事務所経営に役立つ情報
(2013年1月)

Facebookを事務所のマーケティングで使うには(3)

リアルタイム性と双方向性

 Facebookを事務所のマーケティング活動に使用するためには何が必要かを考えるシリーズ第3回目。今回は「リアルタイム性と双方向性」をお送りします。


2013年WebマーケティングはFacebookが主役に

 2013年、会計事務所のWebマーケティングの主役は、過去にも本欄で何度かご紹介した「Facebook」となるでしょう。

 日本での推定ユーザー数も1000万人を超え(2012年7月調べ)、いよいよアーリーアダプター層以外にも広く普及した感があります。

 しかし、税理士、会計事務所が自所のFacebookページを開設している数はわずか400事務所程度。全国に約30000事務所存在するといわれている会計事務所との割合を考えると1.3%ほどしか参加していません。

 Webマーケティングにおいてはスピードが命。ライバルが少ないうちにどれだけ手間とコストを掛けられるかが勝負となります。

 リスティング広告がその好例と言えるでしょう。出稿単価が安いうちに大量に展開することで、高い広告効果を得ると同時に出稿のノウハウも集積し、より良い広告展開を可能にしました。Facebookなどに関してはまさに2013年が大きな効果を出せるか否かの分水嶺となりそうです。

 では、そのFacebookを効果的に使うにはどのようにすればよいのでしょうか。


過去の情報発信からリアルタイムの情報発信へ

 インターネットはこの10年、次の3段階を経て進化してきました。

1)自身でHTMLを打ち込みアップするテキストサイト
2)サーバーや仕様は運営会社が用意するブログ
3) 携帯電話やスマートフォンから更新が容易なTwitterやFacebookといったSNS

 上記1)と2)は、自宅に帰りパソコンを立ち上げ、今日あったこと、その日に考えたことを公開する「過去紹介型メディア」だったのに対し、TwitterやFacebookなどのSNSは「〜なう」といった流行語からもうかがえるとおり、スマートフォンから今やっていること、今考えていることを紹介する「リアルタイム紹介型メディア」と言えます。

 Facebookを会計事務所のマーケティングに利用する際にもこの辺りを念頭に置いてコンテンツを更新していくとよいでしょう。

 TwitterにしろFacebookにしろ、ユーザーは日常のふとした空き時間に覗いたり更新したりします。

 であるならば、毎回毎回あまりに長い文章をアップロードしたり、すでに終わってしまったイベントやできごとを紹介しても見ている人にはあまり意味がありません。

 それよりも、せっかくイベントを行うのであれば、準備段階の行動をそのままコンテンツにしてしまったほうがよっぽどユーザー視点に優れた内容となるでしょう。

 たとえば、数ヵ月先のセミナーの企画会議を行ったのであれば、具体的な日時や内容が決まっていなくても企画会議を行ったという“コンテンツ”を公表すれば、「セミナーを今後行う予定がある」といった意思表示にもなりますし、参加したいと思っている人にとっては、あらかじめ予定も空けられるメリットも出てきます。以後、徐々に決まってくる具体的な内容や日時がさらに新しいコンテンツとなってユーザーへの情報提供となっていきます。


SNS最大の武器はコミュニケーション

 また、事前に情報を公開することでSNSの最大の特性であるユーザーとのコミュニケーションも可能になります。

 参加希望者の意見や要望をFacebook上で吸い上げ、実際のイベントへと反映していけば、当所の企画以上の内容にブラッシュアップもできるでしょう。

 ただ、既知の情報を公開していくだけのコンテンツであるならば、それは何もSNSを利用して行う必要はありません。事務所の公式サイトの「新着ニュース欄」で十分です。

 SNSを利用してわざわざ情報発信を行うのなら、その特性であるところのリアルタイム性と双方向のコミュニケーションを利用しなければなんの意味もありません。

 当然、そこに主眼を置くとなればこれまでのホームページ、ブログなどで行っていた情報発信とはコンテンツ内容も自然と変わってくるはずです。

 一体何のために、何を最終目標にして事務所のSNSアカウントを開設するのか、まずはその部分をはっきりさせることで効果はまったく違ったものになるでしょう。


税理士による税理士のためのFacebook活用法