会計事務所経営に役立つ情報
(2012年4月)

新規獲得の課題が一般企業に近づいている

 グラフ1は「新規獲得方法は以前から変わったか」を示している。

グラフ1 新規獲得方法は以前から変わりましたか?

 ここ数年では新規獲得手法としてさほど変化がなかったというのが現状。しかし、「変わった」と回答した方の中では、「顧客主導型に変わった」「金額がシビアになった」というような意見が挙がった。

 会計事務所はこれまで規制に守られ、新規獲得という概念から遠かった感があったが、ここへきて一般企業に近づいてきている傾向が見られる。

 また、昨今は顧問料下落が進んでいるが、現状はどうか。グラフ2では顧問料値下げを事務所と顧客のどちらから提示したかを表している。

グラフ2 既存顧問先の顧問先料が3年前と比較して下がった理由

 「顧問先からの要望」と「自ら下げた」が半々だが、ここで問題なのは、顧問料を下げる根拠が明確であるかという点にある。顧問料が「言い値」で決まるのは論外。顧問契約書と報酬規程をきちんと整備し、顧問料の値上げ・値下げの根拠をきちんと顧客に説明することが、今後は要求されることになる。

 どんなビジネスにも価格表が存在する。これまで価格表等がなかった事務所は、早急に用意すべきである。そうでないと顧客から選ばれることはないだろう。

データは、アックスコンサルティング「税理士実態調査アンケート」2011年12月実施より。