会計事務所経営に役立つ情報
(2012年2月)

2011年春までが紹介会社の数のピーク
−2011年の会計業界で何が起きたのか?−

 顧問先の紹介会社については、2010年夏から2011年春くらいまでがピークで、当社の調べではマックス60数社が存在したと思われた。

 しかし、顧問先紹介会社は参入障壁が少ないため、誰でもWebサイトをオープンすれば、商売が成り立つ。ところが、2010年の夏ごろからリスティング広告等(Webサイトでの広告)の獲得単価が跳ね上がり、どこの紹介会社もつぶし合いの状態になった。東京や横浜ではワンクリック3,500円くらいまで高騰し、赤字覚悟で紹介を続ける結果に至った。そのため2011年夏ごろから、新規参入組をはじめいくつかの紹介会社が消えていった。

 まさに、ビールやカラオケボックス、スーパーマーケット、家電量販店などの業界のように、お互いが儲からなくなるまで競争が続くものだが、紹介会社も同様だった。紹介会社も最後はコスト、クオリティー、スピードのトータル面を考慮して組織をつくり上げたところが勝ち残るだろう。

 中には「コピー機を買ったら顧問先を紹介する」とアプローチするなど、税理士への顧問先紹介もなりふり構わないところまで到達した。そして、「大金を払ったのに、紹介されたところは他の税理士と"二また"ならぬ"五また"紹介だった」と不満をぶつける税理士もいた。

 いずれにしてもこうした紹介会社と税理士とのトラブルも絶えない。しかし、こうした紹介会社に頼らざるを得ない構造が会計業界にあるのも事実。この背景には、Webが果たした役割、つまり加速するネット社会の影響が大きい。

 2011年の会計業界は、価格破壊とネット社会の進化が同時に襲来してきて、まさに「黒船、会計業界を襲う!!」の見出しが躍りそうな1年であった。2012年はこうしたことを踏まえ、進まなければならないことを、肝に銘じることを忘れないでほしい。