会計事務所経営に役立つ情報
(2012年2月)

「価格破壊者の登場」と「紹介会社の台頭」
−2011年の会計業界で何が起きたのか?−

 2011年の会計業界で何が起きたのかというと、主に次の2点が挙げられる。

1.価格破壊者の登場
2.紹介会社の台頭

 大きなインパクトとしてはこの2つだが、いずれもネット社会が大きく影響している。今や地方の名店と呼ばれる店舗の商品でも、ネット通販でお取り寄せできる時代になっているように、小売店でもネット販売を取り入れないと時代に取り残されてしまうが、税理士も同じで、ネット社会に対応しないと生き残れなくなってきた。

 2002年の税理士法改正で会計事務所の広告規制が緩和されてから約10年。インターネットによって業界の変革に加速度が増した2011年だったといってもよい。

 会計業界に限らず、すべての業界で価格破壊者が登場するプロセスがある。まず競争が激化する。競争の激化は当然、顧客からの値下げ圧力を生む。

 なぜなら、競争が激しくなるほど、価格や手法などがオープンになり、サービスの質が変わったことが、誰の目にも明らかになっていくからだ。会計業界にとってはこの状態が、ちょうど2、3年前にあたる。

 その次に起きてくるのが、身内からの価格破壊者の登場だ。

 2011年は特に顕著だったといってもよい。いずれにしても「競争の激化」「値下げ圧力」と続き「価格破壊者」が登場する。このプロセスは、眼鏡屋、薬局等、数多くの業界で繰り広げられてきた出来事だ。

 若い税理士による価格破壊によって、新規顧客を根こそぎ獲得していった。価格破壊は若い税理士にプラスに作用し、失うものは何もない。

 これによって、広告規制の緩和から始まった会計業界の変革が、これまでのスピードから倍々で加速度がつき、一気にマグマのように噴出した。