中小企業の会計に関する基本要領(中小会計要領)
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 II.各論

 8.固定資産
(1) 固定資産は、有形固定資産(建物、機械装置、土地等)、無形固定資産(ソフトウェア、借地権、特許権、のれん等)及び投資その他の資産に分類する。
(2) 固定資産は、原則として、取得原価で計上する。
(3) 有形固定資産は、定率法、定額法等の方法に従い、相当の減価償却を行う。
(4) 無形固定資産は、原則として定額法により、相当の減価償却を行う。
(5) 固定資産の耐用年数は、法人税法に定める期間等、適切な利用期間とする。
(6) 固定資産について、災害等により著しい資産価値の下落が判明したときは、評価損を計上する。


【解説】

 固定資産は、長期間にわたり企業の事業活動に使用するために所有する資産であり、(1)にあるように、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に分類されます。

 固定資産の取得価額は、購入金額に引取費用等の付随費用を加えて計算します。

 (2)にあるように、固定資産は、原則として、取得原価で計上します。

 建物や機械装置等の有形固定資産は、通常、使用に応じてその価値が下落するため、一定の方法によりその使用可能期間(耐用年数)にわたって減価償却費を計上する必要があります。具体的には、(3)にあるように、定率法、定額法等の方法に従い、相当の減価償却を行うことになります。

 定額法とは、毎期一定の額で償却する方法であり、定率法とは、毎期一定の率で償却する方法です。法人税法に定められた計算方法によることができます。

 減価償却は、固定資産の耐用年数にわたって行います。実務上は、(5)にあるように、法人税法に定める期間を使うことが一般的です。ただし、その資産の性質、用途、使用状況等を考慮して、適切な利用期間を耐用年数とすることも考えられます。

 有形固定資産と同様の考え方により、無形固定資産は、(4)にあるように、原則として定額法により、相当の減価償却を行うことになります。

 「相当の減価償却」とは、一般的に、耐用年数にわたって、毎期、規則的に減価償却を行うことが考えられます。

 なお、減価償却により毎期、費用を計上していても、例えば、災害にあったような場合等予測することができない著しい資産価値の下落が生じる場合があります。このような場合には、(6)にあるように、相当の金額を評価損として計上する必要があります。


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