7.特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入
 第28回 7−2 特殊支配同族会社の定義
掲載日:08/08/26

1)特殊支配同族会社

 この規定の対象となる法人は、内国法人である特殊支配同族会社です。具体的に特殊支配同族会社とは、つぎの要件に該当する同族会社をいいます(法人税法35条1項、法人税法施行令72条3項)。

(1) 業務主宰役員グループが、その同族会社の発行済株式または出資(自己株式または出資を除く)の総数または総額の100分の90以上に相当する数または金額の株式または出資を有する同族会社で、かつ、
(2) その業務主宰役員および常務に従事する業務主宰役員関連者の総数が、常務に従事する役員の総数の半数を超えるもの

 (1)と(2)の要件のいずれも満たす同族会社が「特殊支配同族会社」となります。

〔特殊支配同族会社の範囲〕
特殊支配同族会社の範囲

 つまり、特殊支配同族会社とは、「所有と経営が実質的に一致している会社」であり、その要件として「株式等所有割合90%以上」と「常務従事役員割合過半数」という2つの判定ラインを設けているといえます。

 なお、90%以上の判定は、株式等所有割合のみならず、議決権数割合あるいは業務執行社員数割合によっても行う必要があります(法人税法施行令72条3項2号、3号)。


2)医療法人等の取り扱い

 この規定は「同族会社」を対象としています。会社とは、株式会社、合名会社、合資会社または合同会社をいい(会社法2条1項1号)、会社に該当しない医療法人、社団法人、財団法人、税理士法人などは同族会社とはなり得ないため、この規定は適用されません。


3)判定時期

 特殊支配同族会社に該当するかどうかの判定は、その事業年度終了の時の現況により行うこととされています(法人税法35条3項)。


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