掲載日:08/04/01
取締役の報酬等については、定款に定めていないときは、株主総会の決議によって定める必要があります。会社法361条では、「取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下「報酬等」という)についてのつぎに掲げる事項については、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める」と規定しています。
[1] |
報酬等のうち額が確定しているものについては、その額 |
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[2] |
報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法 |
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[3] |
報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容 |
[1]は報酬等の確定額の決定で、株主総会で個々の役員の支給額を個別に決める必要はなく、総額または最高限度額を定め、各取締役間の配分については、取締役会に一任することができると解されています。定款に定める会社は少なく、ほとんどは株主総会の決議によっているものと思われます。
[2]は、業績連動型報酬のようなものが該当し、その具体的な算定方法を決議します。[3]については、いわゆる現物給与が該当し、その具体的内容を決議する必要があります。
なお、監査役の報酬等についても、以下のとおり、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める(会社法387条1項)とされています。
第387条 監査役の報酬等は、定款にその額を定めないときは、株主総会の決議によって定める。 |
(2) |
監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定めまたは株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲において、監査役の協議によって定める。 |
(3) |
監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について、意見を述べることができる。 |
昭和56年の商法改正により、監査役の地位強化、監査役制度充実のための改正がなされました。それまで監査役の報酬等は、取締役を含めて全体で定めておけばよく、各監査役間の配分も取締役会の決議に一任することができました。これでは、監査役は報酬面で取締役の圧力を受けることにもなり、監査役の独立性が失われるという問題から、新たに定められた規定であります。
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