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2)被相続人が老人ホームに入所中に死亡した場合の自宅の敷地に係る小規模宅地特例の取扱い 小規模宅地特例の対象となる「被相続人の居住用の宅地等」に該当するかどうかの判定は、被相続人がその宅地等の上に存する建物に生活の拠点を置いていたかどうかにより行います。被相続人が居住していた建物を離れて老人ホームに入所したときは、一般的には被相続人の生活の拠点も老人ホームに移転したものと考えられます。このため、個人が老人ホームの入所中に相続が開始した場合、被相続人が老人ホーム入所前に住んでいた自宅の敷地は、「被相続人の居住用の宅地等」に該当しないことになります。 しかし、身体上又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため、被相続人は自宅での生活を望んでいたものの、やむなく居住していた建物を離れて老人ホームに入所した場合もありえます。このような場合は、病気治療のため病院に入院した時と同じ状況であり、生活の拠点は引き続き自宅建物にあると考えるのが普通です。そこで平成25年度税制改正により、被相続人が老人ホームに入所したため、相続開始の直前においてそれまで居住していた建物を離れていた場合であっても、次のイとロの要件を満たすときには、被相続人が居住していた建物の敷地は、相続開始の直前において「被相続人の居住用の宅地等」に該当するものとして、相続税の計算上、小規模宅地特例の適用が認められることとされました。 イ.次に掲げる事由により老人ホームに入所することとなったこと(措令40条の2第2項)
@.事業(貸付けを含み、事業主体は問わない。)の用 ii.被相続人又はその同一生計親族以外の者の居住の用 なお、老人ホームへの入所により空き家となっていた建物の敷地について、小規模宅地特例の適用を受けるためには、従前は上記イ.とロ.の要件の他、国税庁の取扱いにより、「被相続人がいつでも生活できるよう、建物の維持管理が行われていたこと。」や「その老人ホームは、被相続人が入居するために被相続人又はその親族によって所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたものでないこと。」の二つの要件も設けられていました(国税庁HP「質疑応答事例」)。しかし、平成25年度税制改正により、平成26年1月1日以降に相続又は遺贈により取得した宅地等につき、これらの要件は廃止されました。この改正により、小規模宅地特例の適用対象者の拡大が見込まれます。 |
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