平成22年度改正で創設されたグループ法人税制の概要〜平成23年改正事項をフォロー
[メニューへ] [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [次へ]

 6.100%子会社の清算と繰越欠損金の引継ぎ

(1)平成22年度改正の内容

 平成22年度の改正では、グループ税制に関連するその他の改正も行われている。その一つが清算課税制度の廃止である。従来の清算課税制度が廃止され、清算中の法人についても各事業年度の所得に対する課税が行われることとされた。

 この改正とグループ税制の関係で注意が必要なのは、完全支配関係にある子法人につき清算が行われ、残余財産が確定した場合には、親法人においては、その子法人の株式について譲渡損益を認識せずに、譲渡損益相当額に見合う資本等の額の減少又は増加として処理されるという改正である。これにより、子会社株式の清算損の計上ができなくなることの見合いで、当該子会社の残余財産が確定した場合には親法人が当該子会社の繰越欠損金を引き継ぐことができることとされた。

(2)平成23年改正事項

 上記の改正により子会社株式について清算損の計上ができないこととされたことから、子会社の残余財産が確定する前に当該株式について予め評価損を計上することにより、評価損の計上と繰越欠損金の引継ぎにより、損失の二重計上が可能という問題点が指摘されていた。

平成23年改正では、1)清算中の法人、2)解散が見込まれる法人、3)グループ内で適格合併が見込まれる法人については、株式の評価損の計上を認めないという改正が行われ、損失の二重計上の途は塞がれている。


データ連動強化により申告書作成を効率化するエプソンの法人税申告ソフト「法人税顧問R4」


[メニューへ] [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [次へ]