素直〜教えを素直に受け入れまずは動いてみる
株式会社ジャパン・プランニング
新しいビジネスモデルを展開している総合広告代理業

 
プロフィール
梅田 充昭(うめだ・みちあき)

熊本県出身。株式会社リクルートを経て26歳で広告代理店を設立。その後、エステティックサロンを経営。それらの経験を活かし、2000年4月に現在の株式会社ジャパン・プランニングを創業。「時代を先取りしたビジネスモデルの提案、個々のスタッフに対する還元、顧客の成功を創造し顧客と成功体験を共有する」を経営理念とし、採用広告・セールスプロモーション・サイト構築の3つのソリューションが複合した新しいビジネスモデルを展開している。



   
【3つのキーワード】
 
1.「教えて下さい」と言えると成長できる
2.AD・SP・Webソリューションをワンストップで
3.リクルートで学んだ、自立した組織づくり
 
 
【起業の頃について】

――起業のきっかけは。

梅田:
 リクルートで採用広告に携わっておりましたので、あまり景気に左右されない事業内容は採用広告だと思いました。自分が社会人になって初めに就いた仕事で、決まりもわかっていますので、それでやってみようと、2000年4月に4人でスタートしました。
 
 
――起業の頃は何が一番大変でしたか。

梅田:
 リクルートにいた頃は、自分は仕事ができると思っていたのですが、いざ独立してみると、お客さまはリクルートと取引していたのであり、私と取引していたわけではないということがわかりました。そういう意味では、まず商品の前に自分を売れないと仕事にならないということが大変でしたね。
 資金面では、出していただける人もいらっしゃったのですが、ゼロからやりたかったので、自分でやってみようと思って始めたという苦労はありますね。


――失敗したことをどう克服していったのですか。

梅田:
 仕事をしていく中で、納得できないことを納得しなければいけないというのは、オーナーにならないと経験できないことです。サラリーマンであれば、納得できなければ辞めればいいですが、オーナーになるとそうはいきませんから。


――後ろに誰もいませんものね。

梅田:
 そうした意味で、自分の言葉に責任を持つということ、身の丈以上の話をしないようにしてきました。
 あとは、失敗したことや怒られたりしたことを次に活かしています。怒られた人とは今もいい関係が続いていることが多いです。自分が社会人になって初めて取引したお客さまと今も付き合いがあります。


――それは失敗した時に逃げないで、真正面からごめんなさいと誠意をもってなさってきたからでしょうね。

梅田:
 そうですね。なかなかごめんなさいというのは言えそうで言えないところがありますね。わからないことはわからないと言ったほうが早いこともあります。私は純粋に「どうしてですか、教えてください」と言える人間なので、そういった中で成長できたかなと感じます。


【経営について】

――今の事業内容は。

梅田:
 人材採用広告、セールスプロモーション、WEBソリューションの3つの柱があります。
 採用広告の世界というのは、サービス業のお客さまが一番多いのですが、その方々はそれ以上のお金を販売促進に遣われるわけです。ですから、その中で一番必要なマーケティングやホームページの企画制作など、それらを融合してワンストップの提案を具現化できるように展開しています。
 弊社には、営業・制作というジョブローテーションがありません。基本的には、WEB事業部は、ウェブ制作のプロの人間だけで固めています。作って売れる人が最高の人間だと私は考えています。そうしたところが一番売りのところであり、他社とは違う差別化のところでもあります。
 

――お客さまのニーズを聞き出して、それを作ると。

梅田:
 採用広告の世界は、どの業種も取引先に持っています。人の採用のデータベース、つまり、相手がどのように商品を見ているのかという目線のデータが何十年分あるわけですから、それを採用広告だけに使うのはもったいない。ですから、それをマーケティングに活かしていこうという視点です。
 大手企業と取引させていただく場合は、ほとんどがマーケティングから入っていくケースが多いです。企画やプランに対してマーケティングができていないとなかなか販売につながっていきません。そうした意味で、私たちは、学生側の目線に対して非常に詳しいので、その強みを活かしています。
 企業に提供できる情報というのは、メーカーと取引していることと同じぐらいの情報量を持っているので、それを一つの材料にさせていただく、そういう業態です。


――3つの事業部の位置付けについてはいかがですか。

梅田:
 弊社は基本的には事業部制、独立採算組織です。自分の事業部は自分で売上をあげて、そこに対して利益が多く出れば多く給料をもらえばいいという考え方です。
 3つの事業部それぞれが競い合いながら一つのものに向かっていけばいいと思います。その3つの部署のディレクションを私がやっているということになります。お互いに目標に向かって組むことは大事だと思いますが、基本的には組織ごとで売上を立てていくという、自立した組織作りを目指しています。それぞれが責任を持って自分の事業部の目標を達成することと、スタッフを育成することが、各事業部に与えた課題です。
 また、その人達をどう評価していくのかが会社の役割です。ですから、会社がステージは作って、そのステージでどの歌を歌うのかは自分たちが決める。売れなかったら考えればいいという考え方です。そうしていくと、成長が早くなるのです。私たちの場合はベンチャーですので、スピードを上げていかなければいけません。また、困ったときに泣き付くところがないほうが頑張れるのではないかと思うのです。そういう組織作りをしています。


――組織作りは、リクルートの企業風土の影響もあるようですね。

梅田:
 アットホームという言葉がありますが、勘違いしている人が多いと思います。厳しいときにはどれだけ厳しいことが言えるのか、達成したときにはどれだけみんなで喜べるのかがアットホームではないでしょうか。近いから怒れないというのはアットホームではなくサークルです。目標や目的に対して、それをやりきるために一つになるのがアットホームだと思います。そのためには、できる人とできない人の差別化も必要ですし、そこに対して理由付けをして、そうしたところを重視しながらやっています。


――人材の採用・教育・評価の方針は。

梅田:
 採用については、他社がどういう人材を採用されているかという情報は多く持っています。合わせて、自分の会社にとってどういう人材が必要なのかということも考えながら動いています。弊社の営業マンはすべて新卒の営業マンしかいません。中途は1人もいません。色が付いている人よりも、ゼロの人のほうが育成しやすいのですね。
 教育については、新卒の内定者については、1月から研修を始めています。研修期間に、あいさつの仕方、電話のかけ方、名刺交換といった礼儀作法も含めて教育し、4月に入社した段階で「用意、ドン」できるようにしています。社員教育については、こだわりを持ってやっているのではないかと思います。


――本業でいらっしゃいますからね。

梅田:
 なかなか手前みそで難しいですけれどね。カリキュラムに沿って研修スケジュールを立ててやっています。また、研修については、各メーカーさんにも協力していただいて、メーカー研修も並行ですべて受けさせています。いわゆる商品知識、私たちの業界では媒体知識ですが、媒体研修を入社までにすべて終わらせています。この媒体がどんなニーズでどういう人たちに見られて金額はいくらなのか、というようなことを全部教育します。ですから、入社したときには、何をこれからやればいいのかというのはわかった状態ですから、あとは個人のスキルとハートの問題です。できることはできる範囲でやっていこうという、そういう方法ですね。


――外部のブレーンの活用方法は。

梅田:
 証券会社、生命保険会社、クレジット会社などの出身の方々を顧問に迎えて、お客さまを紹介していただくといった部分でお世話になっています。この3つの業態を抑えると、世の中の企業すべてに営業ができます。
 また、弁護士、会計士、監査法人などの各専門家とも連携し、内部統制を含めた経営管理体制を充実させています。


【会計・財務について】

――いつどのように会計を勉強されましたか。

梅田:
 正直に言うと、それほど詳しいわけではありません。しかし、わからないことがあれば聞くようにしてきました。会計士の先生に、どういうところがポイントなのか細かく聞いて、今は会計上の処理の項目もそれなりには知っています。先生方に聞きながら覚えている最中です。ただ、自分が進めたい方向に持っていくようなアドバイスや指示は、会計事務所にしています。


――資金繰りをよくするための工夫はありますか。

梅田:
 経理関係については、事前に動くようにしています。
 会計士の先生や経理と、3カ月に1回は細かな会議をしています。今会社にどれぐらいお金があってどういう状況なのか、半年後にキャッシュフローはどうなっているかなど、常に早めに把握するようにしています。経理に任せてはいるのですが、私も知っているので、そこについてのコミュニケーションは経理とできていると思います。


――資金調達はどのようになさっていますか。

梅田:
 法人の株主が6社ほどあり、そのうち4社は東証2部上場の会社です。ただ単にファンドを入れてお金を集めるのではなく、事業法人に出資していただくことで、シナジー効果が出て相互にウィンウィンになるようなアライアンスという考え方です。
 ですから、私どもに出資していただいている企業は、学生にものを売っている会社、学生を対象にしている事業サポート、学生に賃貸マンションをあっせんしている会社、塾を経営している会社などです。


【パーソナル情報について】

――好きな言葉は。

梅田:
 『素直』という言葉です。
 やはり基本だと思います。諸先輩方に言われることを、どこまで素直に聞けるのかというのが、一番成長することだと思います。とにかく言われたことに対して、「あ、そうなんだ」と思って動いてみる。それでよければ取り入れればいいし、駄目なら使わなければいいのです。まずは、素直な気持ちで受け入れることが大切なのではないでしょうか。


――尊敬する人は。

梅田:
 尊敬しているのは自分の父親です。
 私の父親は中学校の校長先生を務め、教育委員会の役員などもしていました。校長で教育委員会の責任者になっているというのは、会社で言うと、社長になって会社を経営しているということです。教育業界に定年したあとまで携わっていたということは、それだけ学校に時間を費やしていて、家庭人としては失格ですけれども(笑)、企業人としては尊敬しています。自分で決めたことに対してまい進してそれを成し遂げたということ、お金ではないところに一生懸命になれるところは見習いたい。


――中小企業の社長さんにお薦めの本は。
かもめが翔んだ日
梅田:
 リクルート創業者の江副さんが書いた『かもめが翔んだ日』です。江副さんが会社を立ち上げて、ある一定の基準に上っていくまでの苦悩などが書かれています。
 リクルートは結果主義の会社で、自分でどう育っていくのかという考え方を持っていないと生き残れません。今売れないものは先に行っても売れない、そういう考え方です。そこで、ノーがどのタイミングで早く言えるか、嫌なことは嫌とどうやって言えるか、それがなぜ嫌なのかをはっきり説明することが大事です。
 リクルートでは、ビジネスで大切なことを沢山学ばせていただきました。本当に感謝しています。


――今日はありがとうございました。

梅田:
 こちらこそありがとうございました。

ページのトップへ
税理士 内田麻由子
インタビュー
内田麻由子会計事務所
税理士 内田麻由子
 
取材後記 素直な心で教えを請うことが大切、というお言葉が印象的でした。マネジメントでは、厳しいなかにも愛情を持って社員を育てていらっしゃることが伝わってきました。企業風土というのは、一朝一夕では作れません。社員は社長の背中を見て育っていくのだと思いました。持ち前のバイタリティとリーダーシップで、これからも会社をより成長発展させていかれることを楽しみにしております。

取材:2008/10/15