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川北 隼堂(かわきた・じゅんどう) 22歳で美容サロンを立ち上げ、5,000店舗FC展開をめざしている。美容サロンをさまざまなビジネス展開の拠点としてとらえ、「顧客満足度地球一」を基軸に美容・健康をコアとして、ファッション、物流、ファイナンス、不動産、情報サービス、エンターテイメントへと垂直的・水平的な事業拡大・提携を積極的に推進。そうした事業展開の基盤にあるのが人材重視。独立・開業指向をもつ人々を多面的に支援し、多彩なコラボレートを提案し、「美」を追求するトータル・コーディネート・ビジネスで成長を続けている。 【3つのキーワード】 1.「競育」と「無償の愛」で社員を育てる 2.若い人の引き出しを開けるのが上司の仕事 3.日本中の女性を美人にする! 【起業の頃について】
――起業のきっかけは。川北: 大手の石油化学会社に入ってサラリーマン生活をしていたのですが、型にはまった仕事と生活は自分の性格に合わないことが1年目でわかり、これは男児一生の仕事ではないとリタイアしました。 次に何をしようかと考えたときに、日本マクドナルド創業者の故藤田田さんの『ユダヤの商法』という本に出会いました。初代で成功するには「女か口」という話を読み、『女性の美と笑顔づくり』に貢献できる美容師の道を選びました。 美容学校を卒業し、インターン中は賃金も安かったので、アルバイトをしてお金をためてヨーロッパへも勉強に行きました。そこでコンテストに出て自信をつけました。 ――苦労したことは。 川北: 自分の性格に合った道を見いだしたので、サラリーマン時代と比較すると楽しいことが多く、特に苦労はありませんでした。 ただ、銀行に全く信用がなくて、開業資金の調達に必死に走り回ったことが懐かしく思い出されますね。 ――その後は。 川北: 負けず魂一つで会社を大きくしていったのですが、成功してぜいたくざんまいを尽くしてふぬけになってしまいました。それで、その会社を人に譲り、ある美容室チェーン店で経営や教育の考え方などを2年ほど学んで独立しました。 ――失敗したことは。
川北:独立したあと、会社は順調に推移して、人材も資金も集まってきました。現場第一主義を一貫していたので、税務も財務も会計も共同経営者にすべて任せていたところ、会社を乗っ取られまして。自分を信じて共に走ってきた部下たちに迷惑をかけました。 ――その経験はその後、経営にいかされていますか。 川北: 現場第一主義、お客様第一番の方向性は今も変わっていませんが、税理士との交流を密に図る必要性を強く感じ、税務・財務の基本を学びながら現在の管理本部を立ち上げました。 【経営について】 ――会社が成長している要因は。 川北: 理念の一店一心主義とランチェスター理論に基づき、「持ち店制度・持ち家制度・パートナーシップ制度」により、業界平均に比して勤続年数を大幅に引き上げ、現在も記録を更新中です。 また、以前は駅前型店舗を展開していましたが、これからはワンストップの時代だということで、店の大部分は地域一番の生鮮スーパーを内包したショッピングモール内に展開しています。母として妻として忙しいお母さんに、一人の女性としておしゃれとショッピングを存分に楽しんでいただけるよう無料のキッズルームを敷設するなど、ファミリー単位でのご利用をいただいています。 ――マーケティングはどうされていますか。 川北: 大手デベロッパーが担っていて、お客様が集まりやすい郊外に立地しているので、集客の苦労はあまりありません。 ――IT活用の面ではいかがですか。 川北: ITシステムについては、独自のLANシステムを構築し、瞬時に各店の状況を携帯電話で確認できるようになっています。 戦略というのは速力です。忙しい店にはチャンスロスを出さないようにタイムリーに支援を送り込める内部体制を敷いています。 このウェブシステムは、美容師個々人の業績とギネスが日々確認できるように設計されているので、弊社プロ美容師リーグに所属するプロアスリート(美容師)の自己啓発とモチベーションアップに貢献しています。 ――「教育」ではなく「競育」なのですね。 川北: その日の売上データを全部夜中に吸い上げ、翌朝、部門ごとに「金・銀・銅メダル」というオリンピック形式で競わせています。パートさんも人事生産性部門でメダルを獲得しています。がんばれば名前がメダリストに挙がってきたりするので、誰でも主役になれます。そういう面で、社員にワークモチベーションを与えるという活用の仕方をしています。 ――データは公正ですね。数字で見せられると。 川北: データで責めると誰も何も文句を言わなくなってきますね。感覚的におれは働いたとか、今日忙しかったというのが非常に多いのですが、数字はうそをつかないですね。 ただ、やはり人間はアナログです。肌と肌の触れ合いが大切。よくみんなで酒を飲んで騒いでいます(笑)。
――子どもを育てるのと似ていますか。川北: もう全く同じ。パパを嫌いな子もいるし、大好きな子もいるし。何人いても1対1ですから、やはりコミュニケーションはすごく大事ですね。ですから、しょっちゅう現場に行って、集めて何やるかと言ったら、飲むぞと(笑)。 若い者は「一発芸をやれ」と言って、みんな一発芸ができるのです。その引き出しを開けるのが、われわれおやじたちの仕事です。引き出しを開けられない人は、やはり上司になれないですから。これがないと組織というのは円滑に動かないですね。褒めてやるのが一番。褒められるとうれしいですものね。 ――応接室にこんな言葉があります。『目的なくして目標なし。目標なくして努力なし。努力なくして実行なし。実行なくして成果なし。成果なくして分配なし。分配なくして満足なし。』 川北: 今の若い人向けですね。 「統率の3原則」というのがあります。ヒトラーがそれをそのまま使っていましたが、「利益と恐怖と愛情」。これがないと人は統率できない。コーポレートガバナンスもまさにそうです。 利益がなければいけない。愛情がなければいけない。恐怖心がなければいけない。利益というのは経済的利益だけではなくて、自分の心を癒やしてくれる、リードしてくれるという利益もそこになければいけないでしょう。 もう一つは、「与えるだけの愛」です。無償の愛がないと、部下は育っていかないのではないでしょうか。 ――お客様へはいかがでしょうか。 川北: 疲れると女性は顔に出てきます。しわになったり、シミになったり、少しむくんできたり。精神的な疲れが顔に出てくるのです。そういうときには、われわれの出番です。 当社のスローガンは、『日本中の女性を美人にする』ことです。美人が増えると、男性の勤労意欲が非常に高まる。男が働くと、今度は国が栄える(笑)。 女性の笑顔作りのお手伝いをするのが私たち美容師の仕事だと思っています。ホスピタリティを育てるのが私たちの仕事ですから。 ――美容師のお仕事は、技術も必要だけれどもマニュアル一辺倒ではいきませんね。本当にお客様のことを思う気持ちがないと。その辺りはどのように社員に浸透させていますか。 川北: お客様からいろいろなおしかりを受けたり、ご意見をちょうだいしたりしながら育っていきます。 安ければそちらに行ってしまう方も多いですが、それだけではありません。髪型というのは、自分の人格を象徴するような存在です。それを触られるというのは、よほど信頼関係がないと駄目です。信頼されて、細かい心のひだを読み取って・・・。 【会計・財務について】 ――いつ、どのように会計を勉強されたのですか。 川北: 多くの税理士主催セミナーに積極的に参加しています。 ――資金繰りを良くする工夫はしていますか。 川北: 財務担当者を配備して、日々、キャッシュインをする現場責任者とのコミュニケーションを密に図っています。また、持ち店制度を進化させた子会社制度によって、現場に根差した各支社長による資金繰り改善への意識を高めています。 ――資金調達を円滑にするためには何が大切でしょうか。 川北: 事業のパートナーである銀行へ、良くも悪くも毎月試算表を提出して当社の現状を正しく把握できるようにすることで、お互いの信頼関係を高めています。 ――これからどのような事業を展開されるのでしょうか。 川北:
2007年度より「美・健・食・医」を提供するアンチエイジング事業を展開する上場企業グループの一員となりました。今後は「美と健康と医療」のワンストップ・サービスを提供できるモールを作っていく計画です。「師族協業」すなわち医師、看護師、美容師、柔道整体師、薬剤師などの協業による全く新しいサービスをスタートしていきます。 おそらくこのビジネスモデルは、世界で初めてだと思います。癒やしがあり、アンチエイジングがあり・・・。再生医療が主力になった美容整形も、美容外科と業務提携して一緒にやっていきます。一人の女性をあらゆる面から健康に、美しくしていくという新しいビジネスモデルがもうすぐ完成します。 ――それは女性として大変興味があります。完成したら是非訪れたいですね。 【パーソナル情報について】 ――好きな言葉は。 川北: 明るく元気に素直な心の「明元素」です。 ――尊敬する人は。
川北:本郷孔洋先生です。辻・本郷税理士法人の理事長をされている方です。 ――中小企業の社長さんにお薦めの本は。 川北: 『ドラッカー365の金言』、ピーター・F・ドラッカー著です。 ――本日は、楽しいお話をありがとうございました。 |
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川北会長は、会った人をだれでも元気にしてしまう、不思議なパワーをお持ちの方。だれよりも女性の美と健康に情熱を注ぎ続けています。社員への深い愛情があるからこそ、社員の皆さんも、活き活きと、伸び伸びと仕事に打ち込んでいるのだと思います。また、私たちの取材依頼に対し、ご丁寧に当日朝、質問に対する内容をまとめたレジュメをEメールで送って下さいました。 これからも、私たち女性の強〜い味方でいてくださいね。 取材:2008/04/01
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